森ともの声を社会運動へ反映したいと願う
先月、私は二人の感想文を読んで気候危機等から自分の命を守ることの危機感が薄氷のようなものであることを突きつけられました。
その感想文は、11月3日に実施した「中倉山のブナを元気にする恩送り」というブナ保護活動でご一緒した登山ガイドのMさんと9日に行われたJREU大宮シニアの森の散策と以前植樹した地の草刈りに参加してくれたMさんからのものでした。
ガイドのMさんは「一歩一歩自分と向き合い登っていくとそこに凛々しく立つブナが待っており、“このくらいで大変と言ってはダメだよ”と、まるで“人生の師”のような圧倒的なブナに逢う事が出来ました」(一部)と感想を書いていました。シニア会のMさんは「今、我々が行動しなければ手遅れになる。子や孫たちが気付いた時では間に合わない。現状に危機感を持っていない自分に気づかされた」「自分に出来ることを考え、危機意識を共有する場をつくる」と書いていました。その後、登山ガイドのMさんは、今後は中倉山を案内したいと言ってくれました。
東京郊外に住む私は、気候危機という生存の不安定な社会を前にして、LED電球の交換、あるいは中倉山のブナの種から苗を育てるという程度のものでした。私は、二人の感想文を読み返し、2024年の世界平均気温が過去最高を示すと言われている中で、次期米大統領の「燃やせ!燃やせ!」に現われている温暖化姿勢、COP29での二酸化炭素大量排出国や産油国等の温暖化対策へのブレーキ踏み言動等を見聞きすると、海水温度は更に上昇するとともに気候も変化し続けると思います。世界各国の人々は年を追うごとに異常気象に怯えた生活を強いられます。
このような予測をすると、二人の感想は“気候危機には待ったなし!”というレベルではなく実践的であると思い、感動し、嬉しく思いました。運営委員2年目に入る私の1本の柱がふたりから提案されました。本格的に始まる「エコ散歩in足尾」では、私の生存の危機を一緒に散歩する方々と共有していきたい思います。そして、この危機感を社会へ拡げていく私たちの勇気へ繋げていきたいと考えています。
最後になりましたが、己の生存危機に向き合う姿勢を振り返ることの大切さに気づかせてくれた二人に感謝申し上げます。
運営委員 田城 郁