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2024年1月18日 (木)

石炭火力にNO!

 昨年12月22日、JERA(中部電力と東京電力ホールディングスが共同出資する発電会社)が横須賀火力発電所2号機の営業運転を12月22日に開始しました。当初、2024年2月の営業運転開始を予定していましたが、2か月前倒しした形です。JERAの発表によると、「本発電所2号機は、超々臨界圧発電方式(USC)を採用した高効率な石炭火力発電所です。発電出力は65万kWとなり、安定した供給力として電力需給に貢献できるものと考えております。なお、2023年度の冬季重負荷期の供給力として貢献するため、営業運転の開始を当初予定していた2024年2月から前倒ししております」と言っています。ご存じの通り、今年度は節電を呼びかけるほどの負荷はなく、JERAの言う理由はお門違いであり、到底納得のできるものではありません。

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 昨年開催された「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議」(COP28)では気候変動の影響による「損失と被害」を支援する基金の運用が合意。温室効果ガス削減に対しては、日本を含む118か国が再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに3倍にすることに合意しましたが、石炭火力の全廃時期は示されませんでした。

 日本は、パリ協定の1.5℃目標達成のため、2030年までの石炭火力の段階的廃止(フェーズアウト)が求められているにもかかわらず、日本のエネルギー基本計画では2030年になっても石炭火力を19%(原子力は20~22%)使用し続けることになっています。

 火力発電は、CO2の排出量が多く、燃料(石炭、石油、LNG)は輸入頼み、資源は有限であることからもメリットはありません。CO2排出と大気汚染を回避するという意味だけではなく、持続可能でもないということです。No61110_1

 現在、横須賀火力発電所建設を考える会の皆さん方は、国を相手取って訴訟を起こしています。2月22日には、11時~東京高裁で控訴審判決が行われます。当日、傍聴希望の方がいらっしゃいましたら、森びと事務所・小林までお問合せ下さい。(運営委員・小林敬)

2024年1月 1日 (月)

次世代と共に“山と心に木を植える”希望の年に。

 新年あけましておめでとうございます。本年も「いのちを守る森づくり」に邁進してまいります。

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 昨年は観測史上最も暑い1年と伝えられました。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代になった」と述べ、各国政府などに気候変動対策の加速を求めました。

 私たちは2004年12月に“地球温暖化にブレーキをかけよう”と森びとプロジェクト委員会を結成し、宮脇昭先生(故人)の指導をいただき栃木県の足尾銅山跡地での森づくりをスタートしました。よもや「地球沸騰化」と比喩される時代が来るとは。「気候変動対策=排出削減」の議論や技術開発、経済対策が先行していますが、生存基盤の地球を守るためには温室効果ガスの吸収源である森と海を元気にすることが第一の対策ではないかと思います。

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 「最悪の事態」を食い止めるために、2023年も多くの森ともの皆さんや若者たちが植樹や育樹、森の生長観察に汗を流しました。

  春、「中倉山のブナを元気にする恩送り」で“孤高のブナ”の根を守り、DNAを持つ「希望のブナ」を植林してくれた栃木県・那須拓陽高校の生徒の皆さん。

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 夏、先輩が植えた木々が豊かな生態系をつくり出していることを確認。秋、ホオオノキを記念植樹してくれた群馬県・樹徳高校の生徒の皆さん。ホオノキの花言葉は「誠意ある友情」「自然の愛情」です。

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 秋、「木を植えることは将来世代のためである」とJICAで訪日し体験植樹をしたマダガスカル、タンザニア、ザンビア、ドミニカ共和国、モンゴルの皆さん。

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 2009年臼沢の森に植樹し、食害と向き合いながら育樹活動を行うJR貨物労組の皆さん。

そして、いのちを守る森づくりを応援する野田さん、「笑いヨガ」の皆さん。

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 生長した森では、落ち葉の下で森を支える土壌動物たち、昆虫、鳥、動物たちがいのちを育んでいます。

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 世界のリーダーが結集し気候変動対策を議論したCOP28では、「化石燃料からの脱却を実現するための行動を加速させる」ことが採択されたようですがいつまでに脱却するかは明確化されず、海面上昇で国土消失の危機に立たされている島国では失望感が漂っています。

 日本を含めた118カ国が「再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに3倍にする」、米国と日本を含めた22の有志国は「世界全体の原子力発電の設備容量を3倍にすることを目指す」と宣言。原発への依存度を「可能な限り低減する」としていた日本政府は、昨年5月GX炭素電源法を成立させ原発の60年超運転を可能とし、次世代原発の建て替えも進める方針を示しています。経団連会長は「原発を増やしていくのは人類の英知だ」と、前向きな姿勢を示しました。

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 東電福島第一原発事故から13年目となる現在も廃炉処理が進まず、帰宅困難区域ではいまだ許可なく立ち入りが制限されています。驚いたことに昨年12月20日環境省は原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県大熊町、双葉町の特定帰還居住区域の除染作業を開始し、現場を報道陣に公開しました。(12/21福島民報)そして放射線量が局所的に高い「ホットスポット」が存在する可能性もあると伝えています。

 「地球沸騰化」する地球環境、頻発する異常気象によって脅かされる私たちの暮らし。沿岸部に立地する原発が温暖化による豪雨災害や土砂崩壊、豪雪、干ばつ、大地震や津波などによって事故を起こさないか危惧しています。改めて、原発との「共生」ではなく、原発に頼らない「人と自然との共生」を目指さなければなりません。

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 森づくりをスタートしてから20年、原発事故から13年。私たち人間に何が問われているのか。これから生きる私たちは何をしなければならないのか。「人類の英知」が問われていますが、その「英知」は、森に生かされている生物社会の一員でしかない人間の自覚が前提になるのではないでしょうか。

 2024年は、世界の方々と共に創り(植樹)出してきた足尾の森をスタッフ、サポーター、森ともの皆さん、そして、若者たちと共に育てていきたいと思います。2025年は植樹から20年、森づくりに参加された皆さん、森づくりを応援してくださった企業や行政の皆さんに、生物たちがいのちを育む森を観てほしいと願っています。

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 そして、岩手県八幡平の森、秋田県「同和の森」、宮城県名取・荒浜「いのちの森」、福島県南相馬市「森の防潮堤」、栃木県「日光城山の森」、千葉県南房総「花嫁街道」の植樹、育樹、森の手入れを地域の皆さんと一緒に活動する各県ファンクラブの皆さんと共に、山と心に木を植えていきます。

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(副代表・清水 卓)

2023年12月31日 (日)

森づくり活動20年目の課題

 50年前に閉山した足尾銅山の煙突から排出された亜硫酸ガスが松木川沿いを上流に流れ、そのガスで両岸の草木が枯れて土砂が川に流出した。それは、その上部の土砂や草木も崩れ落ち、後に残ったのは急斜面の岩肌(ハゲ山)だけ。F20231231 その岩に土と草木の種を混ぜた袋を張り付けて草木を発芽させ、樹々が生長できるのを待っている足尾の治山・緑化事業の今。広大なハゲ山には緑色が広くなっているが、草木の生長を加勢しているのは土壌分解動物と風や生きものたち、そして人間の手入れ。しかし、岩肌に張り付いている土は煙害前の大木に育つほどに堆積していない、ここ数年は極端な大雨等で土砂が流される。足尾の荒廃地に少しばかりの土等を混ぜて植えている樹々が煙害前の大木に育ってくれるのかと不安な年末。F20231231_2 2024年は木を植える活動をはじめて20年を迎えるが、「ふるさとの木による命をまもる森づくり」の新たな課題に挑戦する森づくりが試される。世界各地で大地と海の森をつくり、育てている皆さん!一年間お疲れさまでした。(森づくりアドバイザー・高橋佳夫)

2023年12月22日 (金)

冬至は私の心の大晦日

1695105336900 私にとっては冬至が心の大晦日。明日から太陽のエネルギーを得られる時間が長くなるので、自然界の息吹きが恵みになる可能性がスタートする日。2024年も自然界の息吹きを恵んでもらって悔いのない時間を過ごしたいと思う。1 人類の生存を脅かそうとしている温暖化にブレーキをかけられないかと願い、今年も木を植え、森の手入れをしてきた2023年。Dscn8562 その主役は80歳代から60歳代のシニアたち。足尾の80歳代から70歳代の森づくり活動は来年で20年を迎える。今年(2023年)はその志と情熱を襷に縫い込み、次世代の森びとシニアへその襷を手渡すことができる準備をしてきた。手伝ってくれた次世代シニアの皆さん、ありがとうございました。

P7091295 足尾以外の秋田県、山形県、宮城県、福島県、栃木県、千葉県、茨城県、神奈川県、東京都のシニア達は地域毎の方々との出会いの場をつくりだし、森の手入れの合間には異常気象に向き合う心得や備えを地域の方々と話し合ってきた。お疲れさまでした。P9280572 背伸びしている森びとシニア達の活動が地球温暖化にどれだけブレーキをかけられるのかは分からないが、将来世代が生きていけるエコシステム(生態系)の母体を支えていることには違いない。誰もが経験したことのない気象現象の今後は想定外の災害と被害を巻き起こすことになるのではないかと予測しなくてはならない。P7091262 森に寄り添って生きていかなければならない私たちは、温室効果ガスをこれ以上大気中に累積させない人間活動へチェンジすべきではないかと思っている。地球の70%もの海洋の海水をこれ以上温めてしまう人間活動は即、止めるべきなのですが。COP28では「化石燃料からの脱却」で合意したものの、それは「脱却の対象分野が発電などのエネルギーシステムに限定され」、締約国が化石燃料を使い続けていける余地が残っている。その上、締約国の目標は義務になっていないこともあって、締約国には抜け道がある。COP28締約国が自国ファーストである限りは「パリ協定」は実現できない。

Dsc06154   “山と心に木を植える”という合言葉で活動をスタートさせた20年前の森びとプロジェクト設立委員の議論は、「人間は生物社会の一員に過ぎないという冷厳な事実」から社会現象を思考する努力してきた。その結果、合言葉は、命を守るエコシステムの母体である森をつくろう!母体を破壊しない意識(木)を心に植えよう!となった。煙害の荒廃地にはハゲ山になる前のふるさとの木を植え、植え方は混植密植にして、時間短縮で「ふるさとの木による命の森」を育てることにした。Cimg0020 冬至の年末を迎えた私は、蟻とアブラムシの支え合いのように、森づくり20年の来年も手弁当の森の手入れと森のともだちとの出会いを楽しみたい。そして、苗を植え始めた森づくり20年の再来年には森を育ててくれた全ての方々に足尾の森を観て、触ってほしいと願っている。

P3262510今年、中倉山に植えた「孤高のブナ」の子孫

(森づくりアドバイザー・高橋佳夫)

2023年12月14日 (木)

来年4月から徴収される「森林環境税」の問題を考える

 2019年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、「森林環境税」及び「森林環境譲与税」が創設されました。

 森林の有する公益的機能は、温室効果ガスの削減、土砂崩れの防止、水の貯留や水質の浄化など、国民の暮らしを支えています。一方で、林業の採算性悪化、担い手不足などにより、手入れが行き届かない森林が増え大きな課題となっています。そのために令和6年度より「森林環境税(国税)」を住民税と併せ国民一人1,000円/年を徴収されます。620億円と試算されている税収は、各都道府県、自治体に配分し森林整備、人材育成、木材利用などの取り組みに活用するとしています。

Photo_2 [紅葉する臼沢の森]

 2013年から23年までの10年間「復興特別税」として、国民一人1,000円/年が徴収され、地方自治体の防災事業の財源になっていました。その税は令和6年で期限が切れるため、今回の「森林環境税」として穴埋めされ徴収されるといいます。また国は、国民からの納税がはじまるまでは、国土保全、地球温暖化防止、生物多様性の保全など森林整備が緊急課題であるとして、2019年からから1,500億円の交付金を都道府県に交付しています。しかし、その交付金は約半分が使われていないという状況です。

Photo_4  [林野庁HPより]

Photo_3  [林野庁HPより]

 世界の科学者が地球温暖化に警鐘を鳴らしてきましたが、政府や企業の温室効果ガス削減や再生可能エネルギーへの転換の遅れから、経済活動によって排出される温室効果ガスは森林や海洋が吸収できる量をはるかに超え気候変動の危機を早めているといえます。

 政府は森林整備に関し、花粉症が社会問題になっているので、「花粉症対策」として、伐採後に「花粉が少ないスギの苗」を植えるとしています。

 日本の森林をどのようにしたいのか、グランドデザインを示して、そのためにお金をこのように使うと具体的な事を示さず、現在のスギの人工林を2割程度減少させ、伐採後に花粉が少ないスギの苗を植えるという「森林環境税」の使途・考え方は抽象的で賛成できません。

Photo_5 [林野庁HPより]

 その理由は、異常気象による大雨によって土砂崩壊が発生していますが、その倒木、流木の多くが針葉樹であり、それは根の浅いことに要因があると思っています。同時に、当時の造林計画とその後の森林管理等の弱点があると思っています。よって、この税金は、国民の命を守る母体として森の多機能が発揮できる森づくりとその管理に充てるべきと思います。

Photo_6 [松木川源流のジャンダルムを望む]

Photo_10  [孤高のブナと荒廃の残る中倉山北斜面]

 花粉症対策に充てることも大切ですが、伐採コストがかかりすぎて放置されている山奥のスギを伐採して新しいスギを植えるのであれば、それは新しいスギではなく落葉広葉樹を植えるべきと思います。生態系豊かな森に育て「森のダム」となり、深い根による豪雨災害を少しでも抑制し、ミネラル豊富な水を溜めて流し、生物に欠かせない食物連鎖を健全に護っていけるようにしなければならないと思います。

Photo_9  [森びと広場・桜の花をついばむサルの群れ]

Photo_7 [スギ・ヒノキ伐採跡地に落葉広葉樹を植林した日光板橋「城山の森」(栃木県FC)]

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 このような考え方に基づいた人材育成と森の手入れ、同時に、地域での啓発活動を進めるべきではないかと思います。税金は国から地方行政へ補助されますので、納税者は各地域でその税金が国民全体の利益に結びついているのかをチェックしていかなければと思います。

(運営委員 大野昭彦)

2023年12月 1日 (金)

100年先を見据えた森づくりを学ぼう

 先日、高橋アドバイザーから動画の紹介がありました。YouTubeで東京大学ホームカミングデイ2023「新作講談 × アフタートーク:GXの先駆者、本多静六の偉業」#1というものです。下記のアドレスを、クリックしていただくとYouTubeにアクセスができます。
 
 

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 現在、東京都にある明治神宮は、都民にも都民以外にも親しまれている憩いの場となっています。故・宮脇昭先生は著書『森の力』~植物生態学者の理論と実践~では「先人たちが知恵を絞ってつくった人工の森の世界最高傑作のひとつ」、「現在の日本で最も理想的な都市公園とし機能している鎮守の森の代表格」と絶賛されています。その中で日本の林学の創始者と言われる本多静六博士が、常緑樹を植えることで、100年先を見据えて長く生き続ける明治神宮の森をつくることに尽力されました。動画では講談師の神田伊織さんが本多静六博士について語っており、#2では、昨年3月に講演をしていただいた江守正多さん(東京大学未来ビジョン研究センター教授)などがアフタートークをされています。是非、ご覧下さい。

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https://youtu.be/f9tQlP1gZCE?feature=shared

(運営委員・小林敬)

2023年11月26日 (日)

みんなのブナにあってきた

一部の仲間内では「ぶなお」というニックネームで通っています。このごろでは時折「本名だと思ってました」(まさか!)と言われたりすることもあって、今ではとても自然な感じでブナになっていたりします。

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そんなぶなおが今年11月3日の「中倉山のブナを元気にする恩送り」に参加してきました。孤高のブナに会うのは実に3年ぶりとなります。久々の山歩きは少々堪えましたが、直接行く歩道が新しくできていたのには驚きでした。それだけこのブナに会いたいという人がいるのでしょうね。(ただ、、、初めて行かれるなら、ぜひ中倉山山頂からのコースをお勧めします!)。

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登ってみるとブナの根元の笹は青々として、その周辺をぐるっと道ができていました。ここを訪れる人たちの、ブナの木に負荷を与えないようにとの優しい気持ちが伝わってきます。以前のように抱きついたりできない寂しさは若干ありますが。また、保護活動をしている私たちの仲間(本当に頭が上がりません)の頑張りで、ブナの木の根が確実に土に隠れていたことは大きな喜びでした。確かに効果が出ているように見えます。そして少しづつ北側の斜面にもカラマツなどの木々が増えてきているように見られ、自然の回復力を感じることもできました。

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この日は、希望のブナ(私たちの会で植えた孤高のブナの実生苗)が1.5メートルぐらいに育っていたのも、また中倉山直下の兄弟ブナが元気だったのも確認することができ、参加してくださった皆さんの優しさと相まってとても気持ちがほっこりとした山歩きとなりました。

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いまでは時折新聞やテレビにも紹介され、土日にになると登山口の駐車場が満車になるほどの人気具合。グーグルの地図にまで表示されています。

個人的にはこのブナをそっとしておいたほうが良いのかなとも思っていました。ただ、このブナが教えてくれることを一人でも多くの人に知ってもらえたら、それはそれで良かったのかな、とも思うようになっています。山頂で、ブナから送られた詩を聞いて、このブナの「語り」を、より多くの人に伝えられたらと、ぶなの字を頂いた(笑)私も思うのでした。(運営委員 小黒)。

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2023年10月15日 (日)

市民・子どものいのちを奪うことは許せない

 10月7日以降、イスラエルとパレスチナで事実上戦争状態に入り、市民を含む多くの人々が犠牲に遭うなど、激しさを増しています。世界ではイスラエルは多くの西側諸国を中心に支持をし、アラブ諸国はパレスチナの支持を表明しています。

F77sxkcauaa44hv そもそも戦争はどのような理由があろうとも犯罪行為であり、歴史を見ても人が人でなくなり、人道的にもありえません。日本が取るべき立場は、どちらを支持するということではなく、平和のために即時停戦を求め全力を注ぐべきです。ロシアがウクライナに侵攻したことと、何ら変わらないにもかかわらず、多くの西側諸国がイスラエルを支持しています。最も愚かな行為に対して無力であることを痛感させられますが、「一切の戦争を許さない!」声をあげ続けていきます。20211112israelpalestine216716x448

(運営委員・小林敬)

2023年10月 1日 (日)

2年連続の秋田県豪雨災害

 7月15日(土)から16日(日)にかけて梅雨前線が東北北部付近に停滞し、秋田県を中心とした広い範囲で統計開始以来の記録的大雨が1日近く降り続いたことが特徴的でした。秋田県では3万世帯以上が浸水被害を受け、特にJR秋田駅周辺を中心とした市街地で被害が多発しました。

20230927_145410_2 冠水・浸水が多かった秋田市街地に注目すると、今回の浸水・冠水被害には大きく2つのパターンに分かれました。雨水が排水施設の能力を超えて地上にあふれる「内水氾濫」と、川からの「外水氾濫」が重なり被害が大きくなりました。JR秋田駅周辺には、知人・友人も何名かいましたので連絡を取ったところ、やはり多くは浸水被害に見舞われ、家だけではなく車はほぼ廃車となってしまったそうです。また、7月15日(土)の帰宅途中に自宅までの道路が冠水し、自宅にたどり着けなかった後輩もいました。

 隣町の五城目町内川地区では、昨年8月の大雨による浸水に引き続き、今年も甚大な被害を2年連続受けることとなりました。同様に私の自宅(井川町)真向いの数件が、昨年に引き続き浸水の被害を受け、今までにはないほど堤防ギリギリまで増水しました。当然町から避難指示が発出され、私ども夫婦は町の避難施設に避難し一夜を過ごしました。

Img_2292_2 自宅真向いの浸水に見舞われた家屋(写真)

 私ども夫婦はまだ60歳前半ですので、今災害に見舞われても避難などの対応は可能なのですが、今後高齢になり歩行も自動車運転もままならない年齢になった時のことを考えると正直なところ、運を天に任せるしかないような心境にもなります。

 毎年のように「観測史上あるいは統計開始以来の記録を更新しました」とかという時代を思うと、この温暖化による異常気象下においては「大丈夫だろう」は通用しなくなっています。情報の把握とまずは安全な場所への移動・避難が重要だと考えますので、「お茶会」では異常危機下での現実を地域の方々と話をしていき、現在地域ではどんなことが足りないのか、どんなことが出来るだろうかを話していきます。

(運営委員・大山博延)

2023年9月18日 (月)

明治神宮外苑の森にすむ土壌動物の「民意」は東京都に届いているか

 9月10日、神宮外苑の森を歩くエコ散歩を開催し、参加者の皆さんと一緒に中村幸人植生アドバイザー(東京農業大学名誉教授)の説明に耳を傾けました。

 明治神宮や神宮外苑の森は、100年前全国の皆さんから資金や苗木が贈呈され、市民ボランティアの協力で作られたことが伝えられています。

 

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 中村アドバイザーは草や木の葉に触り、時には匂いを嗅ぎ、人工的に作られた生け垣や森の中に鳥や風が運んだタネが発芽し森の一員になっていることを教えてくれました。

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 神宮球場の外輪の森に“タブノキ”の幼木を発見。中村アドバイザーは「本命の木。これからこの森をつくろうとして生長を始めている。全体が森の形になっているからここで生長できた。大きくなれば本来の常緑の森に戻っていく。その“さきがけ”であるとみることが出来る」と教えてくれました。100年前に作り始められた人工林が鳥や昆虫、爬虫類など生態系を構築し、300年400年生きる自然の森に遷移しようとするダイナミズム、その“さきがけ”に立ち会うことが出来、感動をおぼえました。

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 当初観察する予定だった「御観兵榎(ごかんべいえのき)」が記念樹として植えられた旧青山練兵場跡に残る外苑の森が「都合により閉園」だったため、道路向かいの小さな森に入り観察。気温35度を超える外苑を歩き汗だくでしたが、ひんやりとし、しばし体を休めました。自動車が行きかう場所で緑の葉を広げ、森に寄り添う人々に安らぎを与えてくれる樹木は誰に支えられているのだろうか。

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 NPO森びとの顧問として森の下に住む土壌動物の存在を教えてくれた故・青木淳一横浜国大名誉教授の本「だれでもできる やさしい土壌動物の調べ方」を教科書に、落ち葉の下の土をすくい観察しました。

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ルーペの他にスマートフォン用のマクロレンズを使い、土の中に住む生き物を探しました。目視では何か白いものが動いている程度ですが、1㎜~2㎜ぐらいの生き物が2㎝ぐらいに拡大され、落ち葉を食べておなかの中に「落ち葉のソーセージ」をためている様子を見ることが出来ました。一握りの土の中にワラジムシやコムカデ、ジムカデ、ヤスデ、トビムシ、陸貝など何種類もの土壌動物を確認することが出来ました。ササラダニは顕微鏡が無いと見ることが出来ないため、東京都や大学などの研究機関に調査を期待したいと思います。

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 本「やさしい土壌動物の調べ方」を開き、確認できた土壌動物を調べてみると、『「自然の豊かさ」を評価するための32の動物群』では「わずかな環境変化にも敏感なグループA」(5点)には陸貝、ヤスデ、ジムカデ、コムカデが含まれています。「中間のグループ」(3点)にはワラジムシが含まれていました。100年もの長い年月をかけて、劣悪な環境にも耐えられるグループの生物たちが土壌を作り変え、その土地本来の木々、ケヤキやスダジイが生長し、鳥が運んだタブノキの種が森の仲間になるなど、神宮外苑の森が豊かな自然環境を保持していることを示しています。

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 故・青木淳一先生は1983年に明治神宮の森の調査を行い、人間の足の下に何匹の土壌動物がいるかを、子供たちにも分かりやすく示しています。トビムシやダニ、ワラジムシ、ミミズなど約80,000匹が落ち葉の下で暮らしていました。

 東京都のHP見ると東京都住民は1406万3564人(2022年)です。明治神宮の数値を参考に考えると、片足を25㎝×10cmとして、1m²は40倍、320万匹です。5m²で都民数を越えます。地上部に生きる人間をはるかに超える土壌動物たちが東京都の緑を守り、豊かな自然を守り、つくり出していることがわかります。

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故・青木先生は本の最後の文に(P100)

(3)土壌が陸上世界を支えている

 地上で活動する生物社会を支えているのは間違いなく土壌です。その土壌の健全さ、ゆたかさの程度を教えてくれるのが土壌動物です。その中でも、今まであまり注目されてこなかった土壌動物は、微生物とともに生態系のなかで重要な働きをしているばかりでなく、環境の診断役としても注目すべき存在であることを、これまでの説明からぜひわかっていただきたいのです。

とメッセージを記しています。

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 小池百合子東京都知事は9月15日の定例会見で、樹木保全の具体策を示すよう事業者に求めました。地上に生活する住民の民意と同時に、地面の下で都民の暮らしを守る土壌動物たちの「民意」にも耳を傾けてほしい。

(運営委員 清水 卓)