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2024年4月18日 (木)

厳しい自然と向き合い森をつくり、育てる

 4月12日、環境省は2022年度の国内の温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO²)換算で11億3500万トン、前年度から2.5%(2900万トン)減ったと発表しました。同省によると、温室効果ガスのうちCO²の部門別排出量は、産業(工場など)3億5200万トン、(前年度比5.3%減)家庭1億5800万トン(同1.4%減)など。一方で、運輸(自動車など)は1億9200万トン(同3.9%増)で唯一増加しました。コロナ禍出控えていた旅行を再開する動きが影響したと考えられています。

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 排出量から森林などによるCO²吸収量を差し引いた正味の排出量は10億8500万トン(同2.3%減)。吸収量は前年比6.4%減の5020万トンでした。かつて整備した森林の木が老木となって吸収が鈍化しているといい、今後も減少傾向が続くとみています。(4/13毎日新聞より)

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 世界に目を向けると、世界の森林面積は1990~2020年の30年間で1億7800万ha(日本の面積の約5倍)が減少しています。(林野庁HPより)

 森林減少の原因は、農地への転用、過剰な伐採、違法伐採、森林火災など、南米、アジア、アフリカなどの熱帯林の減少が目立っています。地球上には4000万種~1億種の生物が推定され、熱帯林には地球上ではごくわずかですが、生物の5割から9割が生息していると考えられています。生命を育んでいる「生物種の宝庫」である貴重な森林が熱帯林を中心に地球上から急速に失われつつあります。(森林・林業学習館HPより)

 温室効果ガスの吸収源である森林が30年で日本の面積の約5倍も減少している。欧州や中国など植林を進めている国もありますが、苗木を植えCO²を吸収できる大きさに育つまでは数十年かかり、気候変動はさらに森林の減少を加速させます。目先の経済的利益より人類を含む生物社会の命を守ることを優先させなければなりません。私たちは、(株)古河機械金属様に植栽地をお借りして植樹をおこなっていますが、足尾の荒廃地で「木々を、森を育てる」ことの困難さを、身をもって知りました。

Pa192377  臼沢の森

 コロナ禍で足尾に来て植樹が出来ない皆さんに代わり苗木を植える「里親植樹」を行った「臼沢西の森」は、植樹地の上部はむき出しの岩が風化して亀裂が入り、落石の多い場所です。今冬は足尾も降雪日が多く、岩の隙間に入り込む水分が凍り、気温の上昇に伴って融けると岩と岩、土壌がゆるみ落石も発生します。

 4月13日に加賀スタッフと「臼沢西の森」を見に行くと、土留めの甲羅板が崩れ落ちているのが目に入りました。何が起きたのか。木々は大丈夫か!と鼓動が早くなりました。

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 現地に立つと大きな岩が支柱を倒し、獣害柵を破り、甲羅板で段々に作った植樹地を壊しながら下の獣害柵で止まっていました。幼木を見ると、刃物でスパッと切ったように食べられていました。切り口から見ると落石で壊れた獣害柵の隙間から入り込んだウサギが幼木を食べたようです。周りにはウサギのフンが落ちていました。西側、東側の獣害柵を補強した目の細かい亀甲金網には岩が包まっていました。

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  20㎝程の積雪に食べる草が覆い隠され、温暖化にブレーキをかけようと植えた苗木がウサギのエサになる。人間、ウサギ、双方の命を守るための植樹ですが、ウサギは春には芽を出すように根まで完食せず、来年の食糧を確保するために「手加減」をしてくれる。

 私たち人間は、「次はウサギに食べられないようにしよう」と獣害柵を補強しますが、自然を制御することはできません。自然と向き合いながら手入れをしてきた森には、シカやサル、イノシシ、アナグマ、時々ツキノワグマ、鳥、爬虫類、昆虫など生き物が暮らし始めました。熱帯雨林には程遠いと思いますが森の中で生き物や葉の食跡を見つけると生態系が蘇りつつあると感じます。

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 4月16日、生物の生存基盤である地球の悲鳴がまた聞こえてきました。昨年COP28が開催された中東アラブ首長国連邦の最大都市ドバイを記録的な大雨が発生し各地で浸水被害が発生しました。テレビの映像では、空港や道路、家屋が冠水している様子が映され、24時間以内に250ミリを超す大雨が観測したところもあり、年間平均雨量の2倍以上に相当する大雨となったようです。この数十年で急激な拡大を遂げたドバイは、街の大部分がコンクリートとガラスで覆われており、雨水を吸収するための緑地はほとんどないとも伝えられています。私たちは気候変動の影響が世界各地に影響を及ぼしていることを直視しなければなりません。そして、嘆いている暇はありません。

202449 4月9日松木川の増水の様子

 故・宮脇昭先生いわく「希望の明日を拓くのは他人まかせではいけない。一人一人が自分の命、愛する人の命、かけがえのない遺伝子の細い絆を守るために、木を植え本物の森をつくる。これは、いつの時代でもどこでも、人類が生き延びるための正攻法であると確信している。まず植える。植えながら議論しよう。机上の議論をいくら繰り返しても、それだけでは不十分である。実際に木を植え、いのちを育てていこう。」(いのちを守るドングリの森 集英社新書より)です。

2023629 2023年6月の臼沢西の森

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 「里親植樹」に参加された森ともの皆さん。厳しい自然の中で生きぬく木々を見に来ませんか。一緒に森を育てましょう。

(運営委員会 清水 卓)

2024年4月 1日 (月)

「脱原発」を問い直す時がやってきた

20240401 先月に開催された運営委員会では1月発生した能登半島地震に関して意見交換をし、桜井代表の意見を訊いて、私はドキッ!としました。それは、能登半島地震では志賀原発のトラブルと地域住民の避難場所や避難方法が大きな課題として私に突き付けられ、森びとプロジェクトの規約にある「原発に頼らない・・・」とする活動はどうあるべきかを改めて議論していく必要があるのではないか、と自問自答しました。

 桜井代表は、東電福島第一原発事故時は“能登地震と同じように、道路は寸断され、避難するにも行くところは制限され、住民は孤立するのではないかと思った。県外へ避難しようとした市民の受入れ抑制をかけた一部行政、避難した市民への嫌がらせ等があり、「棄民」としての扱いを感じた”(要旨)と述べました。

 原子力発電関連産業を押し進める人たちには、弱者のいのちや健康よりも目先の利益が優先され、それを支える政治があり、雇用問題と関連業界・地方行政の財政的潤い等が岩盤のようになっています。この岩盤は情緒的な怒りやあるべき論だけを語り合っていくだけでは砕けないと思います。  

    地震大国日本、地震はいつ起こるか分からない、自然界の脅威をコントロールできない私たち。そして日本の原子力発電所は能登半島のような地域に多い。その上、想定外の異常気象が世界中の人々のいのちと健康を脅かし、その猛威は年々巨大化しています。この現実から目を背けずに、いのちと健康を守ることを第一にした活動を練り上げていかなければと思います。

20240401_154249_3    私は、珠洲市の住民が原発を稼働させなかった20数年間の住民運動からそのヒントを見つけだしたいと思います。6月の第5回総会で会員の皆さんと意見交換できることを願っています。(運営委員・大野昭彦)

2024年3月23日 (土)

ほうっておく森があってもいい

私たちが植樹を指導して頂いた宮脇昭先生の「木を植えて基本的に3年後には手入れ不要」という言葉が気に入っている。最初にその話を聞いた時は、人はどうしたらその森と付き合えるのかが理解できなかったけれど、それは森を利用するという側面でしか対象を見ていなかったからだろう。

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その後にいろいろな森を見て、放置することの難しさを知った。宮脇先生が指導して作った森の場合に限っても、結局3年後(またはそのあと)に手を入れているところがそこそこあるように思う(本当に必要な場合もあるけれど)。

特定の生態系を守る重要性や、ある種の人の管理する森が大切だということは理解はしているつもりだし、人工林(経済林)の話をしているわけではないことは断っておく。

ただ、森を管理する、という名目で、ガソリンを使って木を伐って枝を落とし木を弱らせ、ガソリンを使って草を刈りゴミに出し、はたまたガソリンを使って葉っぱを吹き飛ばしていたりさえするのは本当に意味があることなのだろうか。

森が暗いから、木が細いから、健全じゃないから(健全って何?)、人が近づくと危ないから、このままじゃ役に立たないから云々。いろいろ理由はあるけれど、たいていは無駄に伐る方向に圧が働くのが常な気がしている。自然は放置しておけばその中で持続的なエコシステムを作るということは誰でも知っていることなのに。

そろそろ人間さまの価値基準の範疇から離れた「放置した森」をもう少し見直した方が良いのではないか。奥山においては当然だけれど、これからは都市部においても実はそうした森が特に重要になっていくと、私はひそかに思うのである。(運営委員 小黒)

2024年3月19日 (火)

原発回帰はあり得ない

    4月6日(土)に森びとプロジェクトと一般財団法人日本鉄道福祉事業協会の共催で「原発回帰と気候危機に向き合う生活を考える」意見交換会を開催します。

   「沸騰化」する地球環境、頻発する異常気象によって私たちの暮らしが脅かされています。今、世界の潮流は「化石燃料から再生可能エネルギー」へと転換を進めていますが、日本政府は「電力の安定供給と脱炭素化を同時に進める」ためとして「原発回帰」へと突き進んでいます。東日本大震災から13年が経ちましたが、いまだに福島第一原発の廃炉処理は進まず、帰宅困難区域への立ち入りも制限されています。また、漁業民や市民の不安を払拭されることなく、行き場のない放射能汚染水は海洋放出されています。

    そのような中、2024年1月1日に最大震度7を観測した石川県能登半島地震が発生し多くの方が被災されました。被災地では断水や停電、雪降る寒さの中での避難生活を余儀なくされています。「志賀原発」では主変圧器の絶縁油漏れや外部電源の一部停止、使用済み核燃料プールから水が溢れ、放射線モニタリングポストが故障するなど、地震の影響が明らかとなりました。また、原発事故が発生した場合の屋内退避や30キロ圏外への避難は不可能であることなど多くの問題が露呈しています。

    石川県能登半島地震の現実から、これから生きる私たちは何をしなければならないのか。被害に遭われたた珠洲市ではかつて原発の建設計画があり、計画の断念までの28年間住民が二分するほど熾烈なたたかいを反対の立場で中心で闘ってこられた住職の塚本真如(まこと)さんから当時の闘いの苦労や震災を受けて感じていることなど、私たちへビデオメッセージをいただきます。そして、長年原発問題を追求してきた科学ジャーナリスト倉澤治雄さんより問題提起をいただき、「原発回帰と気候危機」について共に考えます。

  1. ※再下部にあるYouTubeは、3月9日にTBSの報道特集で住職の塚本さんが取材を受けている動画(18分33秒あたりから)ですので、是非ご覧下さい。

(運営委員・小林敬)

                                                                     記

【開催日】2024年4月6日(土)13:30~16:00

【会 場】目黒さつきビル2F会議室、及びオンライン(Zoom)

【共 催】森びとプロジェクト、一般財団法人 日本鉄道福祉事業協会20240319_211119

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  1. 志賀原発の避難計画“絵に描いた餅” 能登半島地震 各地で道路寸断、「どこに逃げれば…」女川で募る不安、地震と原発はいま【報道特集】 | TBS NEWS DIG
    YouTube: 志賀原発の避難計画“絵に描いた餅” 能登半島地震 各地で道路寸断、「どこに逃げれば…」女川で募る不安、地震と原発はいま【報道特集】 | TBS NEWS DIG

2024年3月16日 (土)

AIは世界を楽園にするのか、破滅に導くのか

 

1 加速度的に進化しているAI。この先、人間は食べるために働く必要はなくなり、したいことだけをするユートピアが実現するのか。あるいは冒頭、人工知能同士の争いが都市間戦争に発展する手塚治虫の「火の鳥 未来編」やシュワルツネガー主演の大ヒット映画シリーズ「ターミネータ」が描くようなディストピアとなってしまうのか。

 日経新聞2月28日の「オピニオン」欄に興味深い記事が出ていた。AI研究の第一人者であり「深層学習」の基礎を築いたトロント大学名誉教授ジェフリー・ヒントン氏によれば、「AI同士が学んだことを共有しあい『集合精神』が誕生すれば、人間に対する絶大な優位性を手に入れる」といい、日経3月10日のインタヴュー記事では「AIに気候変動を止めるよう指示すれば、目的のために人類を排除する手段に出る可能性がある」「今後10年以内に自律的に人間を殺すロボット兵器が登場する」とも語っている。

 また、今年のアカデミー賞7部門を受賞した「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督は「今一番心配しているのはAIが核ミサイルの発射ボタンを押すことだ」とインタヴューで応えていた。

 江戸から明治へと時代の大変革を体験した当時の日本の市民のように、いま私たち地球に暮らす全ての市民が時代の大変革に立ち会っているのかもしれない。できれば変化を見届けてから死にたいものだと強く思う、春には67歳となる私です。

 冒頭にあげた写真は長野県千曲市の春を彩る「あんず」の花の丘。いつもなら4月中頃かな、見ごろは。(運営委員・井上康)

2024年3月 4日 (月)

命と健康を守るアクションを求めて

Photo  千葉県FCから送信された桜とメジロ

 4月6日、「原発回帰と気候危機に向き合う生活を考える意見交換会」が開催されます。開催にあたり私は、原発回帰と気候危機に向き合いながら、この地球で健康で生きていく生活を続けていくためにはこの課題は避けて通れないと思っています。多くの方々も「自然災害が頻発・激甚化するなか、自然に対して謙虚に向き合っていくべき」、あるいは、自然界を狂暴にしているのは地球を温め過ぎている私たちの生活の問題ではないか、と感じているのではないでしょうか。

 TVニュースや新聞報道では能登半島地震の災害・被害、そして救援等をめぐって原発と気候危機に向き合ってきた政府・行政の姿勢と政策を問い、私たちにも問題提起がされていると思います。政府機関の原子力規制委員会、地震調査研究推進本部、石川県等が従来の考え方を見直す作業に入っています。20240207 銅精錬の滓体積場跡に生きるヤシャブシ

 私たちも問われている中で開催される意見交換では、“待ったなし!”とか“謙虚になるべき!”という意思表明をするだけではなく、また、政府や行政を問うだけではなく、原発回帰と気候危機に向き合う方々との出会いをどのようにつくりだすのかという意見を出し合うことが大切ではないかと思っています。今、日本社会で求められていることは出会いから連携へ、そのアクションとしての市民力ではないでしょうか。足尾町、宮城県、岩手県八幡平市、福島県南相馬市の森の樹々は私たちのアクションに期待しているのではないでしょうか。(アドバイザー・高橋佳夫)

2024年2月15日 (木)

いのちを脅かす原発回帰はやめるべきだ

 元旦に能登半島地震が起きた。石川県を始め、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。震度7の地震で志賀原発が被災した。最初の報道では、震度2と報道されたが、後に震度5強と訂正された。この地震で志賀原発では使用済み確認料プールの水が漏れたことが確認された。さらに高浜原発では配管がダメージを受けたと報道された。

 東日本大震災で福島第一原発が水素爆発を起こし、過酷な放射性物質の拡散が起きた。福島県ではいまだに被災した人々が避難を続けている。

Image 能登半島地震で被災した珠洲市市民からは、原発誘致しなかったのは正しかったとの声が上がっている。福島第一原発事故後、地震、津波による原発事故が住民に甚大な被害をもたらすことを理解したのだ。

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 今月7日には、福島第一原発サイト内で人為的ミスで汚染水5.5トンの漏出が明らかになった。汚染水による土壌汚染も確認された。にもかかわらず、日本政府はGXの名の下に原発再稼働の動きを強めている。日本はどこでも地震が起きる地震大国です。国民の命を守るために一刻も早く原発を廃止して再生可能エネルギーに方向転換すべきである。(運営委員会代表・櫻井勝延)

2024年2月 3日 (土)

「想定外!」は人間だけの都合

20240203   1月中旬の足尾・松木郷の森
 明日は立春。今年の立春は例年のような気持ちにはなれません。昨年末、この欄で「誰もが経験したことのない気象現象の今後は想定外の災害と被害を巻き起こすことになるのではないかと予測しなくてはならない」と投稿しました。今年元旦の能登半島地震では地盤が4㍍も隆起し、4.4平方㌔が陸になってしまいました。活断層の動きは2年前から情報発信されていましたが、地震専門家や研究者も「想定外」であったといいます。この地球上で命と健康を守っていくためには今後も「想定外」の事象は起こるということを大前提にしなければならないことを実感しています。

 能登半島地震では色々と考えさせられることが多くあると感じています。そのひとつが、道路寸断・停電・断水・通信不能等での避難者への救援策の在り方です。避難状況の厳しさや救援の後手後手の要因は「地域性」と言われていますが、崖を削って造った道路は地震や大雨が降れば土砂流出・崩壊するのは想定内です。また、志賀町の原発ではトラブルが起きました。しかし、事前の備えとして政府・中央地方行政、そして一般市民の私たちは原発事故発生時の道路寸断での避難路は確保していたと言えるのでしょうか。ビニールハウスで自主避難していた高齢者の様子をニュースで観て、政府・地方行政は「想定外」と言いきれるのでしょうか。半島の高齢化集落の県民・市民の命と健康を守る生活実態把握とその対策を検証しなければならないと思っています。20240203_2 一都8県の森びと「シニア達は地域の方々との出会いの場をつくりだし、森の手入れの合間に異常気象に向き合う心得や備えを地域の方々と話し合ってきた」こともこの欄で紹介してきました。振り返ってみると、この活動はとても大切であり、これからも地域に広めていかなくてはならないと感じています。立春から啓蟄を迎えると森づくり活動が本格的に始動します。森に寄り添って生きる生活の「心得」と「備え」が将来社会の常識になっていくことを祈っています。命と健康が維持されている現実にソッポを向かずに、まずは、自分のために、任意団体からすれば森びと会員のために、“山と心に木を植える”活動を楽しく創り出していきたいと思います。

 最後に、能登半島地震でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々へ心よりお見舞い申し上げます。(アドバイザー・高橋佳夫)

2024年2月 1日 (木)

地震への備え 何が一番必要か

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 能登半島地震でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々へ心よりお見舞い申し上げます。

 タイトルに書いた「地震に備えて何が必要か」という話。経験から言えば、まず一番は車を持っている人はできるだけ燃料タンクをからにしないこと。私自身はメーターが半分になる前に給油するよう、普段から気を付けています。災害への備えとして水や食料、貴重品、小銭・現金などがよく言われますが、車のガソリンについて言及している記事はあまり見ません。しかし、地震被災地ではガソリンを入手するのが著しく困難になります。車があればもちろん移動ができるし、暖も取れる、携帯やスマートフォンの充電もできます。是非、この欄を読んでいる人には意識してもらいたいと思います。

 東日本大震災が発生したそのとき、山形県寒河江市にある山形森林管理署に勤務し、車で1時間ほどの山形森林組合2階の会議室で研修に参加していました。午後の研修も休憩時間に入ろうかという3時直前、突然、周り中の携帯が鳴りだし、何事かと思ったのが最初です。地震の報道では、「今までに経験したことのない揺れ」というフレーズを見聞きしますが、まさに驚くべき大きく長い揺れが襲い、すぐに停電。もちろん研修は中止。携帯で確認すると、宮城・岩手で大きな地震のあったことを知りました。署に戻る道では、信号機が全滅、道路には亀裂が入り、引き続く地震で路側の電線が大きく波打っていました。

 その後、山形森林管理署が宮城県の署等をサポートする拠点となり、全国から届く救援物資の整理、搬送、要望への対応、東京からくる関係者の案内とさまざまに動き回ったことを思い出します。なお、ガソリンはドラム缶をもって新潟まで買いに行き、携行缶に詰め替え送り届けたりもしました。

 冒頭に載せた写真は、高知県四万十川の川べりに広がる菜の花の写真です。皆様に暖かい春が訪れますことを。(運営委員・井上康)

2024年1月26日 (金)

赤坂もったいない市 緊急開催のお知らせ

会員の大山寛恭さんより、緊急で以下の催し開催について紹介がありましたので、共有させていただきます。(運営委員・小林敬)

【お知らせ】
能登半島地震の復興支援に役立てばと、TBS緑山スタジオやTBSグループ社内から集めた不用品を「リユース品」として、皆様にお譲りする「赤坂もったいない市」を、緊急開催いたします。出品は、書籍、食器、インテリア雑貨など、現在収集中です。
会場には、JNN・JRN災害共同募金箱を設置し、リユース品を受け取る際の志をお預かりします。皆様の篤い被災支援をお待ちしてます。

開催期間:2月2日(金)、3日(土)
開催時間:10:30ー18:00
開催場所:赤坂Bizタワーアネックス 1F (東京メトロ千代田線「赤坂」駅徒歩約1分)

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