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2023年12月 1日 (金)

100年先を見据えた森づくりを学ぼう

 先日、高橋アドバイザーから動画の紹介がありました。YouTubeで東京大学ホームカミングデイ2023「新作講談 × アフタートーク:GXの先駆者、本多静六の偉業」#1というものです。下記のアドレスを、クリックしていただくとYouTubeにアクセスができます。
 
 

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 現在、東京都にある明治神宮は、都民にも都民以外にも親しまれている憩いの場となっています。故・宮脇昭先生は著書『森の力』~植物生態学者の理論と実践~では「先人たちが知恵を絞ってつくった人工の森の世界最高傑作のひとつ」、「現在の日本で最も理想的な都市公園とし機能している鎮守の森の代表格」と絶賛されています。その中で日本の林学の創始者と言われる本多静六博士が、常緑樹を植えることで、100年先を見据えて長く生き続ける明治神宮の森をつくることに尽力されました。動画では講談師の神田伊織さんが本多静六博士について語っており、#2では、昨年3月に講演をしていただいた江守正多さん(東京大学未来ビジョン研究センター教授)などがアフタートークをされています。是非、ご覧下さい。

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https://youtu.be/f9tQlP1gZCE?feature=shared

(運営委員・小林敬)

2023年11月26日 (日)

みんなのブナにあってきた

一部の仲間内では「ぶなお」というニックネームで通っています。このごろでは時折「本名だと思ってました」(まさか!)と言われたりすることもあって、今ではとても自然な感じでブナになっていたりします。

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そんなぶなおが今年11月3日の「中倉山のブナを元気にする恩送り」に参加してきました。孤高のブナに会うのは実に3年ぶりとなります。久々の山歩きは少々堪えましたが、直接行く歩道が新しくできていたのには驚きでした。それだけこのブナに会いたいという人がいるのでしょうね。(ただ、、、初めて行かれるなら、ぜひ中倉山山頂からのコースをお勧めします!)。

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登ってみるとブナの根元の笹は青々として、その周辺をぐるっと道ができていました。ここを訪れる人たちの、ブナの木に負荷を与えないようにとの優しい気持ちが伝わってきます。以前のように抱きついたりできない寂しさは若干ありますが。また、保護活動をしている私たちの仲間(本当に頭が上がりません)の頑張りで、ブナの木の根が確実に土に隠れていたことは大きな喜びでした。確かに効果が出ているように見えます。そして少しづつ北側の斜面にもカラマツなどの木々が増えてきているように見られ、自然の回復力を感じることもできました。

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この日は、希望のブナ(私たちの会で植えた孤高のブナの実生苗)が1.5メートルぐらいに育っていたのも、また中倉山直下の兄弟ブナが元気だったのも確認することができ、参加してくださった皆さんの優しさと相まってとても気持ちがほっこりとした山歩きとなりました。

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いまでは時折新聞やテレビにも紹介され、土日にになると登山口の駐車場が満車になるほどの人気具合。グーグルの地図にまで表示されています。

個人的にはこのブナをそっとしておいたほうが良いのかなとも思っていました。ただ、このブナが教えてくれることを一人でも多くの人に知ってもらえたら、それはそれで良かったのかな、とも思うようになっています。山頂で、ブナから送られた詩を聞いて、このブナの「語り」を、より多くの人に伝えられたらと、ぶなの字を頂いた(笑)私も思うのでした。(運営委員 小黒)。

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2023年10月15日 (日)

市民・子どものいのちを奪うことは許せない

 10月7日以降、イスラエルとパレスチナで事実上戦争状態に入り、市民を含む多くの人々が犠牲に遭うなど、激しさを増しています。世界ではイスラエルは多くの西側諸国を中心に支持をし、アラブ諸国はパレスチナの支持を表明しています。

F77sxkcauaa44hv そもそも戦争はどのような理由があろうとも犯罪行為であり、歴史を見ても人が人でなくなり、人道的にもありえません。日本が取るべき立場は、どちらを支持するということではなく、平和のために即時停戦を求め全力を注ぐべきです。ロシアがウクライナに侵攻したことと、何ら変わらないにもかかわらず、多くの西側諸国がイスラエルを支持しています。最も愚かな行為に対して無力であることを痛感させられますが、「一切の戦争を許さない!」声をあげ続けていきます。20211112israelpalestine216716x448

(運営委員・小林敬)

2023年10月 1日 (日)

2年連続の秋田県豪雨災害

 7月15日(土)から16日(日)にかけて梅雨前線が東北北部付近に停滞し、秋田県を中心とした広い範囲で統計開始以来の記録的大雨が1日近く降り続いたことが特徴的でした。秋田県では3万世帯以上が浸水被害を受け、特にJR秋田駅周辺を中心とした市街地で被害が多発しました。

20230927_145410_2 冠水・浸水が多かった秋田市街地に注目すると、今回の浸水・冠水被害には大きく2つのパターンに分かれました。雨水が排水施設の能力を超えて地上にあふれる「内水氾濫」と、川からの「外水氾濫」が重なり被害が大きくなりました。JR秋田駅周辺には、知人・友人も何名かいましたので連絡を取ったところ、やはり多くは浸水被害に見舞われ、家だけではなく車はほぼ廃車となってしまったそうです。また、7月15日(土)の帰宅途中に自宅までの道路が冠水し、自宅にたどり着けなかった後輩もいました。

 隣町の五城目町内川地区では、昨年8月の大雨による浸水に引き続き、今年も甚大な被害を2年連続受けることとなりました。同様に私の自宅(井川町)真向いの数件が、昨年に引き続き浸水の被害を受け、今までにはないほど堤防ギリギリまで増水しました。当然町から避難指示が発出され、私ども夫婦は町の避難施設に避難し一夜を過ごしました。

Img_2292_2 自宅真向いの浸水に見舞われた家屋(写真)

 私ども夫婦はまだ60歳前半ですので、今災害に見舞われても避難などの対応は可能なのですが、今後高齢になり歩行も自動車運転もままならない年齢になった時のことを考えると正直なところ、運を天に任せるしかないような心境にもなります。

 毎年のように「観測史上あるいは統計開始以来の記録を更新しました」とかという時代を思うと、この温暖化による異常気象下においては「大丈夫だろう」は通用しなくなっています。情報の把握とまずは安全な場所への移動・避難が重要だと考えますので、「お茶会」では異常危機下での現実を地域の方々と話をしていき、現在地域ではどんなことが足りないのか、どんなことが出来るだろうかを話していきます。

(運営委員・大山博延)

2023年9月18日 (月)

明治神宮外苑の森にすむ土壌動物の「民意」は東京都に届いているか

 9月10日、神宮外苑の森を歩くエコ散歩を開催し、参加者の皆さんと一緒に中村幸人植生アドバイザー(東京農業大学名誉教授)の説明に耳を傾けました。

 明治神宮や神宮外苑の森は、100年前全国の皆さんから資金や苗木が贈呈され、市民ボランティアの協力で作られたことが伝えられています。

 

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 中村アドバイザーは草や木の葉に触り、時には匂いを嗅ぎ、人工的に作られた生け垣や森の中に鳥や風が運んだタネが発芽し森の一員になっていることを教えてくれました。

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 神宮球場の外輪の森に“タブノキ”の幼木を発見。中村アドバイザーは「本命の木。これからこの森をつくろうとして生長を始めている。全体が森の形になっているからここで生長できた。大きくなれば本来の常緑の森に戻っていく。その“さきがけ”であるとみることが出来る」と教えてくれました。100年前に作り始められた人工林が鳥や昆虫、爬虫類など生態系を構築し、300年400年生きる自然の森に遷移しようとするダイナミズム、その“さきがけ”に立ち会うことが出来、感動をおぼえました。

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 当初観察する予定だった「御観兵榎(ごかんべいえのき)」が記念樹として植えられた旧青山練兵場跡に残る外苑の森が「都合により閉園」だったため、道路向かいの小さな森に入り観察。気温35度を超える外苑を歩き汗だくでしたが、ひんやりとし、しばし体を休めました。自動車が行きかう場所で緑の葉を広げ、森に寄り添う人々に安らぎを与えてくれる樹木は誰に支えられているのだろうか。

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 NPO森びとの顧問として森の下に住む土壌動物の存在を教えてくれた故・青木淳一横浜国大名誉教授の本「だれでもできる やさしい土壌動物の調べ方」を教科書に、落ち葉の下の土をすくい観察しました。

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ルーペの他にスマートフォン用のマクロレンズを使い、土の中に住む生き物を探しました。目視では何か白いものが動いている程度ですが、1㎜~2㎜ぐらいの生き物が2㎝ぐらいに拡大され、落ち葉を食べておなかの中に「落ち葉のソーセージ」をためている様子を見ることが出来ました。一握りの土の中にワラジムシやコムカデ、ジムカデ、ヤスデ、トビムシ、陸貝など何種類もの土壌動物を確認することが出来ました。ササラダニは顕微鏡が無いと見ることが出来ないため、東京都や大学などの研究機関に調査を期待したいと思います。

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 本「やさしい土壌動物の調べ方」を開き、確認できた土壌動物を調べてみると、『「自然の豊かさ」を評価するための32の動物群』では「わずかな環境変化にも敏感なグループA」(5点)には陸貝、ヤスデ、ジムカデ、コムカデが含まれています。「中間のグループ」(3点)にはワラジムシが含まれていました。100年もの長い年月をかけて、劣悪な環境にも耐えられるグループの生物たちが土壌を作り変え、その土地本来の木々、ケヤキやスダジイが生長し、鳥が運んだタブノキの種が森の仲間になるなど、神宮外苑の森が豊かな自然環境を保持していることを示しています。

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 故・青木淳一先生は1983年に明治神宮の森の調査を行い、人間の足の下に何匹の土壌動物がいるかを、子供たちにも分かりやすく示しています。トビムシやダニ、ワラジムシ、ミミズなど約80,000匹が落ち葉の下で暮らしていました。

 東京都のHP見ると東京都住民は1406万3564人(2022年)です。明治神宮の数値を参考に考えると、片足を25㎝×10cmとして、1m²は40倍、320万匹です。5m²で都民数を越えます。地上部に生きる人間をはるかに超える土壌動物たちが東京都の緑を守り、豊かな自然を守り、つくり出していることがわかります。

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故・青木先生は本の最後の文に(P100)

(3)土壌が陸上世界を支えている

 地上で活動する生物社会を支えているのは間違いなく土壌です。その土壌の健全さ、ゆたかさの程度を教えてくれるのが土壌動物です。その中でも、今まであまり注目されてこなかった土壌動物は、微生物とともに生態系のなかで重要な働きをしているばかりでなく、環境の診断役としても注目すべき存在であることを、これまでの説明からぜひわかっていただきたいのです。

とメッセージを記しています。

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 小池百合子東京都知事は9月15日の定例会見で、樹木保全の具体策を示すよう事業者に求めました。地上に生活する住民の民意と同時に、地面の下で都民の暮らしを守る土壌動物たちの「民意」にも耳を傾けてほしい。

(運営委員 清水 卓)

 

2023年9月 1日 (金)

私たちの大切な人間性とは

 古河機械金属㈱などが共同で設立した一般社団法人古河市兵衛記念センターが、創業150年記念事業の一環として、渡良瀬渓谷鉄道の足尾駅付近の一角で大きな工事が進めています。看板を読むと、当時の旧足尾鉱業所があった所に「足尾銅山記念館」を建設し、2025年5月に開館する予定のようです。

 古河機械金属㈱所有地内の松木村跡地で森づくりをさせていただいている私にとっては、この記念館の完成が楽しみであり、「脱炭素社会」で生きていかなければならない将来世代に向かって、どんなことを遺してくれるでしょうか。

 森びと秋田県ファンクラブの仲間たちは、銅の精錬で排出された亜硫酸ガス等で破壊した森の跡地での森づくりを応援しています。その森づくりは、故・宮脇昭さんの指導によって、同和鉱業㈱が私たちよりも一足早く始めています。秋田の仲間から紹介された森づくり主催者の同和鉱業㈱の碑文に心を打たれました。

1 碑には、「美しき峰々が広がるここ小坂の地は、明治17年当社の前身藤田組が官営鉱山の払い下げを受けて以来、122年間、地域と一体となって鉱山製錬事業を営み、日本の産業を支えてまいりました。しかし、掛け替えのない四季折々の花鳥風月を、黒き丘に変貌させてしまうものでもありました。時代は、地球温暖化、資源枯渇、土壌汚染など山積された問題の解決と、自然との共生を望み、大きな変革の時をむかえております。私たちは、大切な次世代の子供たちのために、地元の夢と期待に応えるべく、県北部産業の中心的な役割を担い、リサイクル事業を中心とする環境に優しい循環型社会の構築を目指します。当社発祥の地小坂を、春夏秋冬豊かな自然の息吹きと、力強い地球の鼓動を聞くために、覆土植栽を施し、再び開発することなく「ふるさと秋田」にふさわしい、モデル地区にすることを宣言いたします。たおやかな小坂の風景と歴史を一望しながら。平成18年9月18日同和鉱業株式会社代表取締役社長吉川広和」と、刻まれています。

2 この碑文は、将来世代が生活していく人間社会で失ってはならない最も大切な人間性ではないかと私は思っています。また、「負の遺産」を“未来の遺産”へ結びつく“希望の森”を、秋田県小坂町と栃木県足尾町で育てられていることに感謝しています。(運営委員 大野昭彦)

2023年8月15日 (火)

日本の森林に関する基本的な計画

 暑い日が続いているなか、暑苦しい話題で失礼します。

 林野庁のホームページを見ていたら、いいのを見つけました。「全国森林計画」です。

 日本の森林計画の仕組みをざっと書くと、最初に「森林・林業基本法」に基づく「森林・林業基本計画」があり、これに即して「森林法」に基づく「全国森林計画」があって、ともに5年ごとに見直しをします。さらにこの下に具体的な地域ごとの計画として、民有林には都道府県、市町村、森林所有者等が定める計画があり、国有林では森林管理局ごとの計画があります。

 この「全国森林計画」(令和6年4月から令和21年3月までの15年計画)の案が現在公表され、いわゆるパブリックコメントの募集を行っています。林野庁の公式な表現によれば「この度、「全国森林計画(案)」について、広く国民の皆様から意見・情報を募集いたします。」とのこと。締め切りは8月23日です。

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 全国計画ですから、はっきり言って具体性に欠け、意見をだすのは難しいところです。とはいえ、皆さんが興味を持ちそうなところをあげれば「Ⅲ 森林の保全に関する事項」という項目に、森林の土地保全、保安施設、森林の保護等についての記載があります。

 興味のある方は、一度林野庁のホームページ(https://www.rinya.maff.go.jp)をごらん下さい。さらに意見を出していただければ、元林野庁職員の一人として、大変ありがたく思います。

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 暑苦しい話を続けたので、最後に少し涼しい写真を貼っておきます。松本市の奥、奈川地区で収穫調査をしていた時の一枚です。渓流には野生?のワサビが生えていました。

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(運営委員・井上康)

 

2023年8月 5日 (土)

僅かに残された森をまもるために

明治神宮の外苑の木々が伐採されようとしています。著名人をはじめ多くの人が反対を表明していますが、個人的にも、できれば、議論を尽くして、開発規模を縮小または撤回する方向に動いて欲しいと願っています。

※私たち森びとも7月24日東京都に対して意見書を提出しました。詳しくはリンク先をご覧ください。

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つい最近聞いた話では、都内にオオタカが住み着き、フクロウまでもが適応し始めているそうです。カラスが減ったからだということもあるらしいですが、こういった猛禽類が生きていくことができる環境が一定数あるということなのでしょう。

外苑の森を含めて明治神宮の森はそういったわずかながら残っている都内のオアシスの一つに数えられます。こういった場所は守られこそすれ、開発の対象となるとは考えにくいものでした。この時代に逆行するような、いってみればタガが外れるような悪しき前例がまかり通れば、この後守るべきものには一体何が残るのでしょうか。

このような公共の場では、木々を中心とした無数の命の営みを破壊して、ここでなくても良い人工物を作るより、すでに数少ない都市の自然を守り、すでにある緑とそのみどりを培った歴史を大切にするほうがよほど理にかなっていると考えます。

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大きな樹木は周囲と複雑なつながりを持ち、たくさんの命をはぐくみます。この1本の木を切ることが、どれだけの命のつながりを断つことなのか、についてですら単純に言及することはできません。「目に見えること」だけではかり知ることはできないのです。だからこそ、そういうことを考える想像力をそれぞれが持つということと、より多くの人にきちんと理解してもらえるような説明力がいま本当に求められているきがしてなりません。

来月9月10日(日)に、私たちは外苑の森を歩く「エコ散歩」を企画しています。具体的な内容はまた別途森の風だよりでお伝えしますが、「エコ散歩」では「目に見えないもの」を見ながら歩きたいと考えています。一緒に歩き、そしてこの場所で起きている問題を捉え、どうしたらいいのかを考えましょう。たくさんのみなさまのご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒伸也)

2023年7月18日 (火)

東電福島原発事故と住民訴訟

    昨年11月に仙台高裁は福島原発南相馬訴訟について、故郷の変容による慰謝料などを認め、東電に一審を上回る損害賠償金の支払いを命じる判決を出した。上告した東電は今年3月、上告を取り下げたため、判決は確定した。

    7月16日、東電は南相馬訴訟の原告団に対し、福島復興本社の高原一嘉代表は「取り返しのつかない被害と混乱を及ぼしてしまったことについて、心から謝罪いたします。事故の反省と教訓を胸に、あのような大きな事故を二度と起こさないことを固く誓います。」と福島県南相馬市内で謝罪した。

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    原発事故は損害賠償金を支払えば解決するものではない。最悪な環境汚染をもたらし、事故前の状態に戻ることはない。事故から12年経っても使用済核燃の取出しも見通しが立たない。廃炉は決定したもののいつ終わるのか分からない。

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    このような中、国と東電は漁業者との約束さえ守らず汚染処理水の海洋放出を強行しようとしている。「福島の復興なくして日本の再生なし」と誓った政府は、福島の復興をしないまま原発の再稼働と新増設を決定した。政府は、原発事故を教訓にするつもり全くない。

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    このことが世界から取り残される原因だと思う。(運営委員会代表・桜井勝延)

2023年7月 1日 (土)

未来を守るために連帯していこう!

 5月27日に開催した地球環境危機下で「いかに生きるか」を考えるシンポジウムにパネラーとして参加をいただいた横須賀火力発電所建設を考える会代表の鈴木陸郎さんが団長となり、JERA(中部電力と東京電力ホールディングスが共同出資する発電会社)が計画した横須賀火力発電所1‐2号機の建設中止を求めて市民が国に計画中止を求めて訴訟を起こして闘っています。今年1月に行われた東京地裁での第一審では、原告らの請求を棄却する不当な判決が出され、すぐさま控訴をしました。

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 そのような中、昨日6月30日にJERAは第1号機の営業運転を開始し、来年には2号機の運転が予定しています。世界中で気候変動は深刻化し、生存の危機を身近に感じる昨今、CO2排出を抑えることを世界の潮流ですが、年間726万トンものCO2を排出する石炭火力発電所の稼働はあり得ません。

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 今月21日には東京高裁101号法廷で第1回控訴審(10:30~)が行われます。政府は2050年までにカーボンニュートラルの宣言、横須賀市も2050年までにゼロカーボンシティを宣言していますが、言っていることとやっていることが180度違います。明治神宮外苑再開発での大量の木の伐採問題と共通しているのは、地元の反対の声を聞かず、企業等一部恩恵を受けるもののために経済優先が貫かれていることであり、地元住民にとってメリットはありません。横須賀市だけではなく私たちの問題であり、未来への責任です。近隣のファンクラブと連携をして原告団と一緒に闘っていきたいと思います。

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(運営委員 小林敬)