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2023年8月15日 (火)

日本の森林に関する基本的な計画

 暑い日が続いているなか、暑苦しい話題で失礼します。

 林野庁のホームページを見ていたら、いいのを見つけました。「全国森林計画」です。

 日本の森林計画の仕組みをざっと書くと、最初に「森林・林業基本法」に基づく「森林・林業基本計画」があり、これに即して「森林法」に基づく「全国森林計画」があって、ともに5年ごとに見直しをします。さらにこの下に具体的な地域ごとの計画として、民有林には都道府県、市町村、森林所有者等が定める計画があり、国有林では森林管理局ごとの計画があります。

 この「全国森林計画」(令和6年4月から令和21年3月までの15年計画)の案が現在公表され、いわゆるパブリックコメントの募集を行っています。林野庁の公式な表現によれば「この度、「全国森林計画(案)」について、広く国民の皆様から意見・情報を募集いたします。」とのこと。締め切りは8月23日です。

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 全国計画ですから、はっきり言って具体性に欠け、意見をだすのは難しいところです。とはいえ、皆さんが興味を持ちそうなところをあげれば「Ⅲ 森林の保全に関する事項」という項目に、森林の土地保全、保安施設、森林の保護等についての記載があります。

 興味のある方は、一度林野庁のホームページ(https://www.rinya.maff.go.jp)をごらん下さい。さらに意見を出していただければ、元林野庁職員の一人として、大変ありがたく思います。

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 暑苦しい話を続けたので、最後に少し涼しい写真を貼っておきます。松本市の奥、奈川地区で収穫調査をしていた時の一枚です。渓流には野生?のワサビが生えていました。

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(運営委員・井上康)

 

2023年8月 5日 (土)

僅かに残された森をまもるために

明治神宮の外苑の木々が伐採されようとしています。著名人をはじめ多くの人が反対を表明していますが、個人的にも、できれば、議論を尽くして、開発規模を縮小または撤回する方向に動いて欲しいと願っています。

※私たち森びとも7月24日東京都に対して意見書を提出しました。詳しくはリンク先をご覧ください。

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つい最近聞いた話では、都内にオオタカが住み着き、フクロウまでもが適応し始めているそうです。カラスが減ったからだということもあるらしいですが、こういった猛禽類が生きていくことができる環境が一定数あるということなのでしょう。

外苑の森を含めて明治神宮の森はそういったわずかながら残っている都内のオアシスの一つに数えられます。こういった場所は守られこそすれ、開発の対象となるとは考えにくいものでした。この時代に逆行するような、いってみればタガが外れるような悪しき前例がまかり通れば、この後守るべきものには一体何が残るのでしょうか。

このような公共の場では、木々を中心とした無数の命の営みを破壊して、ここでなくても良い人工物を作るより、すでに数少ない都市の自然を守り、すでにある緑とそのみどりを培った歴史を大切にするほうがよほど理にかなっていると考えます。

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大きな樹木は周囲と複雑なつながりを持ち、たくさんの命をはぐくみます。この1本の木を切ることが、どれだけの命のつながりを断つことなのか、についてですら単純に言及することはできません。「目に見えること」だけではかり知ることはできないのです。だからこそ、そういうことを考える想像力をそれぞれが持つということと、より多くの人にきちんと理解してもらえるような説明力がいま本当に求められているきがしてなりません。

来月9月10日(日)に、私たちは外苑の森を歩く「エコ散歩」を企画しています。具体的な内容はまた別途森の風だよりでお伝えしますが、「エコ散歩」では「目に見えないもの」を見ながら歩きたいと考えています。一緒に歩き、そしてこの場所で起きている問題を捉え、どうしたらいいのかを考えましょう。たくさんのみなさまのご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒伸也)