僅かに残された森をまもるために
明治神宮の外苑の木々が伐採されようとしています。著名人をはじめ多くの人が反対を表明していますが、個人的にも、できれば、議論を尽くして、開発規模を縮小または撤回する方向に動いて欲しいと願っています。
※私たち森びとも7月24日東京都に対して意見書を提出しました。詳しくはリンク先をご覧ください。
つい最近聞いた話では、都内にオオタカが住み着き、フクロウまでもが適応し始めているそうです。カラスが減ったからだということもあるらしいですが、こういった猛禽類が生きていくことができる環境が一定数あるということなのでしょう。
外苑の森を含めて明治神宮の森はそういったわずかながら残っている都内のオアシスの一つに数えられます。こういった場所は守られこそすれ、開発の対象となるとは考えにくいものでした。この時代に逆行するような、いってみればタガが外れるような悪しき前例がまかり通れば、この後守るべきものには一体何が残るのでしょうか。
このような公共の場では、木々を中心とした無数の命の営みを破壊して、ここでなくても良い人工物を作るより、すでに数少ない都市の自然を守り、すでにある緑とそのみどりを培った歴史を大切にするほうがよほど理にかなっていると考えます。
大きな樹木は周囲と複雑なつながりを持ち、たくさんの命をはぐくみます。この1本の木を切ることが、どれだけの命のつながりを断つことなのか、についてですら単純に言及することはできません。「目に見えること」だけではかり知ることはできないのです。だからこそ、そういうことを考える想像力をそれぞれが持つということと、より多くの人にきちんと理解してもらえるような説明力がいま本当に求められているきがしてなりません。
来月9月10日(日)に、私たちは外苑の森を歩く「エコ散歩」を企画しています。具体的な内容はまた別途森の風だよりでお伝えしますが、「エコ散歩」では「目に見えないもの」を見ながら歩きたいと考えています。一緒に歩き、そしてこの場所で起きている問題を捉え、どうしたらいいのかを考えましょう。たくさんのみなさまのご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒伸也)
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