新年あけましておめでとうございます。本年も「いのちを守る森づくり」に邁進してまいります。
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昨年は観測史上最も暑い1年と伝えられました。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代になった」と述べ、各国政府などに気候変動対策の加速を求めました。
私たちは2004年12月に“地球温暖化にブレーキをかけよう”と森びとプロジェクト委員会を結成し、宮脇昭先生(故人)の指導をいただき栃木県の足尾銅山跡地での森づくりをスタートしました。よもや「地球沸騰化」と比喩される時代が来るとは。「気候変動対策=排出削減」の議論や技術開発、経済対策が先行していますが、生存基盤の地球を守るためには温室効果ガスの吸収源である森と海を元気にすることが第一の対策ではないかと思います。
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「最悪の事態」を食い止めるために、2023年も多くの森ともの皆さんや若者たちが植樹や育樹、森の生長観察に汗を流しました。
春、「中倉山のブナを元気にする恩送り」で“孤高のブナ”の根を守り、DNAを持つ「希望のブナ」を植林してくれた栃木県・那須拓陽高校の生徒の皆さん。
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夏、先輩が植えた木々が豊かな生態系をつくり出していることを確認。秋、ホオオノキを記念植樹してくれた群馬県・樹徳高校の生徒の皆さん。ホオノキの花言葉は「誠意ある友情」「自然の愛情」です。
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秋、「木を植えることは将来世代のためである」とJICAで訪日し体験植樹をしたマダガスカル、タンザニア、ザンビア、ドミニカ共和国、モンゴルの皆さん。
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2009年臼沢の森に植樹し、食害と向き合いながら育樹活動を行うJR貨物労組の皆さん。
そして、いのちを守る森づくりを応援する野田さん、「笑いヨガ」の皆さん。
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生長した森では、落ち葉の下で森を支える土壌動物たち、昆虫、鳥、動物たちがいのちを育んでいます。
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世界のリーダーが結集し気候変動対策を議論したCOP28では、「化石燃料からの脱却を実現するための行動を加速させる」ことが採択されたようですがいつまでに脱却するかは明確化されず、海面上昇で国土消失の危機に立たされている島国では失望感が漂っています。
日本を含めた118カ国が「再生可能エネルギーの設備容量を2030年までに3倍にする」、米国と日本を含めた22の有志国は「世界全体の原子力発電の設備容量を3倍にすることを目指す」と宣言。原発への依存度を「可能な限り低減する」としていた日本政府は、昨年5月GX炭素電源法を成立させ原発の60年超運転を可能とし、次世代原発の建て替えも進める方針を示しています。経団連会長は「原発を増やしていくのは人類の英知だ」と、前向きな姿勢を示しました。
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東電福島第一原発事故から13年目となる現在も廃炉処理が進まず、帰宅困難区域ではいまだ許可なく立ち入りが制限されています。驚いたことに昨年12月20日環境省は原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県大熊町、双葉町の特定帰還居住区域の除染作業を開始し、現場を報道陣に公開しました。(12/21福島民報)そして放射線量が局所的に高い「ホットスポット」が存在する可能性もあると伝えています。
「地球沸騰化」する地球環境、頻発する異常気象によって脅かされる私たちの暮らし。沿岸部に立地する原発が温暖化による豪雨災害や土砂崩壊、豪雪、干ばつ、大地震や津波などによって事故を起こさないか危惧しています。改めて、原発との「共生」ではなく、原発に頼らない「人と自然との共生」を目指さなければなりません。
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森づくりをスタートしてから20年、原発事故から13年。私たち人間に何が問われているのか。これから生きる私たちは何をしなければならないのか。「人類の英知」が問われていますが、その「英知」は、森に生かされている生物社会の一員でしかない人間の自覚が前提になるのではないでしょうか。
2024年は、世界の方々と共に創り(植樹)出してきた足尾の森をスタッフ、サポーター、森ともの皆さん、そして、若者たちと共に育てていきたいと思います。2025年は植樹から20年、森づくりに参加された皆さん、森づくりを応援してくださった企業や行政の皆さんに、生物たちがいのちを育む森を観てほしいと願っています。
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そして、岩手県八幡平の森、秋田県「同和の森」、宮城県名取・荒浜「いのちの森」、福島県南相馬市「森の防潮堤」、栃木県「日光城山の森」、千葉県南房総「花嫁街道」の植樹、育樹、森の手入れを地域の皆さんと一緒に活動する各県ファンクラブの皆さんと共に、山と心に木を植えていきます。
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(副代表・清水 卓)