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2022年8月30日 (火)

気候危機下の生活スタイルに切り替える時期が来た

 今年6月、氷河湖が溶解して洪水被害を受けたアフガニスタンの人々。その後も洪水が続き、被災者が3千万人を超えているという。溶解した氷河の勢いをTVで観ていると恐ろしい。オリーブオイル生産世界一のスペインでは、干ばつで三分の一が減産という。インターネットで異常気象を検索すると、今年の北半球で発生している記録的な熱波と大雨等の猛威は想像を絶する。冷静になって被災報道を見聞きすると、人は「(高温は)異常な状態」の中での生活を強いられていると感じる。と同時に、人はその状態が過ぎ去るのを待つ以外にないという存在であることを実感する。Photo 定年後、年金支給までの仕事に就いている後輩は屋外で車両清掃をしている。現場は気温35℃過ぎても作業は中止にならず、現場管理舎は「水分を摂って作業してください。と言っているだけで不満だ」と言っている。野外作業の労働環境は気温35℃どころではないと思う。気象庁が言う「異常な状態」は今までの生活を続ける限り、その環境はさらに悪化すると予測しておかなくてはならない。Photo_2 8月に開催(東京都内)された全国学童軟式野球大会は熱中症予防のために、試合を午前中と夕方からの2部制で行い、試合時間も短縮した(8/27『毎日新聞』)。「選手の負担を軽減し、けがの予防につなげるため」とする運営側の判断。この記事を読み、気候危機下の生活スタイルの端緒をみた。そして、猛暑日の野外労働の法的整備が必要ではないかと思い、不満を言っていた後輩にその旨を伝えた。

Photo_3  気候危機に向き合う生活スタイルへのギアチェンジは“待ったなし!”だと思う。そのスタイルには私たちの声を反映していきたい。森びとの秋の活動はその声を地域で出し合う。森びと県ファンクラブは、その“お茶会”を各地域で計画していく。(顧問・高橋佳夫)

2022年8月17日 (水)

都市にも本物の森を!

私の地元は新潟県新潟市。市の西・南には市民に愛される里山(角田・弥彦・秋葉山など)があり、東は工業地帯があって北側は海に当たる。帰省するといつも思うのが、街の中に本物の森(土地本来の森)がなく、そもそも緑が少ない、ということだ。

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海側には松林や畑が広がり、平地は住宅地を一歩離れると一面田んぼなのだが、土地本来の森を見たことがない。自宅の裏に、開発から取り残された雑木の丘が残っているが、子供のころ松林だった場所は荒れ果てて、近所の仲の良いお父さんが時折整備して歩ける道がある以外は藪、遷移の途中にある。神社仏閣も似たようなもの。ほかの都市ならきちんと護って大きな木があるところが多いが、残念ながら新潟はそういうところがほとんどない(きがする)。角田山をはじめとする里山は、春は花の名所となり県外からも訪れる人が多かったりするのだけれど、多くの市民の生活圏からはそれなりに離れている。


先日東京で目黒の自然教育園を歩いた。ここも元をただせば庭園であったり、火薬庫であったりと人の影響を受けていた二次林である。ただ、その後は基本的に手を入れず、今はスダジイの巨木が太古の森といってもいい趣を醸し出していて、都市の中にあり、区民が望めばすぐにアクセスできる。


そこでまた新潟市に戻るわけだが、ここで新潟市の、「本物の森」って何だろう、と思ったときにそれを知り、触れる場所がないのではないかと気づいた。専門家ではないので、何をもってして、というのは明確にはわからないが(そして実際はあったりするのかもしれないが)、そういう場所が街の中に一か所でもあればいいのではないか。そこを訪れて、考えることはたくさんあるし、なにより多くの生き物がそれに付随して増えていくはずだ。


そしてそれは新潟だけではなく、そういう場所がない、全国のすべての都市あったっていいじゃないかと思う。そしてそれは今からでも作れるはず。例え100 年かかったとしても、100年後のために。どうでしょう?(運営委員 小黒伸也)

2022年8月 8日 (月)

気候危機と向き合う心得と備え

アブラゼミの鳴き声が蒸し暑く感じる日が来ないうちに奥山には暦の上の秋が来た。マイナス30度の寒気が南下(8/7)しているという影響なのか、奥山の森に吹く風は肌寒い。Photo TVや新聞報道を観ていると、びしょ濡れになった身体の汗を拭きながら土砂を片付けている大雨被害(7/3~4)に遭った地域の方々。その表情には路頭に迷っている気持ちは表れていないが、その気持ちをどこの誰に向けたらよいのかという様子が窺えた。Photo_2 記録的大雨によって鉄橋は崩落し、路盤の土砂は流出してレールが宙吊り、復旧の見通しはないという。生活道路も寸断され、家の畳は泥だらけで旧盆どころではない。地方の豪雨災害では鉄道の存続危機にも発展しかねない。経営者の判断によっては利用者と鉄道員が路頭に迷うことにもなる。Pa183410    足尾・「みちくさ」
 最上川流域の一部住民は二度目の大雨被害に遭った。現場は2年経っても大雨対策工事が実施されていなかった。蛇行している川の景観を遺したい、川魚が獲れる流域に住んでいたい等の流域住民の気持ちが二度目の被害に関連しているらしい。命よりも地域経済や川のおもしろみが大事にされたように思う。このTVニュースを聴いて、私は、命があっての経済であり、その命を守る母体は森であることを見失ってはいけないと思った。1 自然災害だから仕方がない、という気象現象ではない。命を守っているエコシステムを衰弱させて、大量生産・大量消費・大量廃棄の生活を継続している人間社会の生存を不安定にさせている現象だ。命を守っているエコシステムの母体(大地の森と海の森)が衰弱すると、そのシステムは直には元に戻らない。90億人がこの地球上で生存できる心得はその母体に負荷をかけない消費生活と平和で差別・貧困のない安心な社会に向けた私たちの社会運動である。(顧問 高橋佳夫)

2022年8月 1日 (月)

いのちを守ることを第一に行動を

 東京都心では6月27日から7月3日までの9日間連続で猛暑日を観測したり、梅雨明けをしたにもかかわらず度重なる大雨や線状降水帯が発生しました。8月に入ってもしばらく危険な暑さが続くようですので、体調管理にはお気を付けください。

 昨日は仕事中に駅のホーム(コンクリート)の日陰に打ち水をしてみましたが、日中は35℃を超え、陽が落ちても30℃を超えていましたので、すぐに乾いてしまいました。最近ホーム上では、日傘をさし、ハンディファンを持ってじっと暑さに耐えて電車を待つ姿が当たり前の光景となり、一歩外に出ると危険であることを再認識させられます。

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 加えて新型コロナウイルスの感染も拡大してきていることも心配です。猛暑が続き、冷房を使用すると、換気をしないために空気感染によって感染が拡大しているのではないでしょうか。私の職場では現在1人の陽性者が出ていますが、複数の職場で多くの感染者が発生しており、今まで以上に現場はピリピリしています。残念ながら、医療機関や介護施設、保育園、バス会社、郵便局等では一部機能がマヒし、日常生活に大きな影響を及ぼしています。

Photo_4 感染のピークやいつ収束するのかがいまだに見えません。第7波では、国や自治体から緊急事態宣言や行動制限は求められていませんが、やはり対策としては混雑する場所を避けることであり、みんなでお酒も飲みたい気持ちをぐっと抑えて、いのちを守ることを第一に生活をしていきたいと思います。(運営委員・小林敬)

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