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2022年6月25日 (土)

人間のいのちと参議院選挙

 明日は当団体の通常総会が開かれる。議長等に委任した正会員、見守ってくれている賛助会員や協力者、そしてオンラインと会場で総会に参加してくれる正会員とは今年の事業計画をしっかり意思統一していきたいと思っています。

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 先日、参議院選挙の党首討論を観ました。また、各党の選挙関連新聞記事を読んでいますが、

物価対策、防衛費増額と改憲、消費税減税等が目立っていました。驚いていることは、想定外の異常気象で世界の人々の暮らしが脅かされている気候危機に関して、党首討論では一言も語られないことでした。

 物価対策などの当面している課題はとても重要な政治課題ですが、それらの課題が気候危機と関連づけられて討論されていないことが非常に気にかかります。

 何故なら、世界の科学者は「地球温暖化が人間の経済活動が原因と断定。1.5度を超えないためには温室効果ガスの世界排出量を2025年までに減少に転じさせ、2030年までに現在の半分に削減し、2050年までにゼロにしなくてはならない。」と警告しているからです。生存(生活と政治経済)の基盤であるエコシステムが危機的だということが、政治家から聞き取れませんでした。

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 今年もインド、パキスタンでは記録的な熱波の来襲、中国南部での60年ぶりの記録的な大雨と洪水、アメリカでの巨大竜巻等が国民の生活を脅かしています。日本国内でも、穏やかな四季の訪れに添った暮らしが日常的に体感できなくなっているようです。

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 通常総会では、このような地球に立って生きている人間として何をなすべきか!を議論できればと思っています。また、参議院選挙では、人類の生存基盤であるエコシステムを健全にすることと日本社会の課題を関連づけて、有権者として一票投じていきたいと思います。

(運営委員 大野昭彦)

 

2022年6月20日 (月)

想定外の自然現象が起きる地球に生きる私たち

Img_3957 ハワイ島に住む友人からメールが届いた。30年前、コロラド州デュランゴで1週間過ごした時に通訳と現地案内をしてくれた彰子さんからのメールだった。メールには、「今年の天候は昨年の様ではなく曇りの日が多く、南のキャプテンクック方面は連日土砂降りの雨が降っています。原因のひとつは火山噴火が影響しているようですが、自然界の変化はハワイ島でも例外ではないようです。Img_3374 森から海に注ぐミネラル豊富な淡水の恵みが素晴らしいワイピオ渓谷。この渓谷谷の近くではタロイモを育てているところがあり、この地では今でも島民の主食として蒸して発酵させたタロイモが食べられています。今春、友達と一緒に日の出ハイキングに出かけ、この渓谷に立つと時が止まったような気分になり、自然がつくのだす綺麗さを実感してきました。」と書かれていた。Img_3369 東京電力福島第一発電事故の国の賠償責任を認めない判決を出した最高裁判所。判決は、巨大地震と津波の発生可能性を国が想定しても、津波の規模や波の方向が想定外だったのであるから被害を防ぐのは難しいということのようだ。想定外のことが発生するのは当たり前だ。私たちがこの地球上で生きていくための備えの考え方は、想定できない、経験したことのない自然現象が起きる自然界に生存しているということではないか。この考え方を基にして国の責任を問わないというのであれば裁判官の見識を疑う。と同時に、裁判官を選ぶ際の自分の権利行使に猛省。Img_3370写真は全てハワイ島・彰子さんより。(顧問・高橋佳夫)

2022年6月 6日 (月)

心に植える木を探す森の防潮堤づくり

Photo 8年前から始められている南相馬市の鎮魂復興市民植樹祭で植えられてた木々を育てている市民でつくる応援隊。その森の防潮堤の一部を先日、応援隊の方の案内で観てきた。現場では、驚きと期待を感じたひと時だった。Photo_2風や生きものたちに運ばれてきた種がその森の仲間入りをしていたことが生態系豊かな森に生長するのではないかという期待。砂が多い地には沿岸の砂地に生きる植物が根づき、水分の乾燥を防ぐ役割を果たし、木々が生長する環境をつくりだしていた。また、木々が茂った森の中や梢では、モズ、ウグイス、ヒヨドリ、キジバト等の野鳥が囀り、生物社会の一員の役割をしているようだった。1 Photo_3 ところが、私たち生きものの基盤を支える森と生きものたちの小さなコロニーに粗大ゴミ等が捨てられているという驚きもあった。いざという時に、津波被害を軽減してくれる森の防潮堤を元気にさせている分解動物が分解できないゴミを捨てている人間。市は鎖を張って森への進入禁止を防いでいるが、現場は鎖がぶら下がっているだけで、その理由が市民に伝えられていないようだった。2202205 観察をした翌日は第10回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭。1.000名の植林ボランティアと木を植えてきたが、木を植えることと人の心にも木を植えるということが今後の課題になってくると思った。その木は、私たちが生きていられることは森が育む生存基盤が健全であることが前提である、ということではないか思う。(顧問 高橋佳夫)

2022年5月22日 (日)

人工林の高齢樹と後期高齢者の恩返し

P5052846 3年後の日本社会では人口の4人に1人が後期高齢者になります。私もそのひとりですが、年金を含め支えてくれている関係者には感謝しています。何か恩返しができないかと、私は17年前から荒廃地に木を植え、若者たちの持続可能な生存基盤になってほしいと願っています。 

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Photo 新緑が眩しくなってきた日本各地の山の森。目に入る緑色は濃い色をした杉、檜が多い。この木々は人工林として植えられ、その面積の半分は植林してから50年以上経っています。森林は人間活動から排出される二酸化炭素を吸収し、私たちの生存を持続させています。ところが杉、檜の吸収量は寿命が40年過ぎるとその吸収量は低下します(林野庁推定)。2019年の吸収量は2014年度をピークに減少しているそうです。高齢化問題は日本の森にも到来しているようです。 

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P5193183 次世代が安心して生存できる基盤を健全にしていくためには、高齢者と高齢樹が何らかの恩返しをしなければと思うと、木を植えて森を育てる活動はそのひとつだと思います。だからと言って高齢化した人工林は勝手に伐れません。人工林の所有者には伐採していただき、その木を積極的に暮らしに使ってほしいと思います。伐った後地には幼木を植え、二酸化炭素吸収力の高い森へ育ててほしい。Photo_2 林野庁は地球温暖化防止の一環として1億本の木を植える国民運動を提唱しています。高齢樹と高齢者対策のひとつとして、その運動を実現してほしい。私は、その運動をサポートしていきたいし、運動の拡大を期待しています。(顧問・高橋佳夫)

2022年5月17日 (火)

人は森に寄り添って生きている

 今年に入って気温差が大きい日を体感している。朝方の気温が0℃、日中になると21℃になった標高1.270㍍の奥山。その日の午後、森内で薪づくり作業をしていると気分が悪くなり、急遽、水分補給と日陰での休息をした。 Photo 5月だというのに北海道、秋田県内、岩手県内等で気温30度越えを観測した。奥山の森の中では一週間程前にシャクナゲの花が二~三輪咲いた。ところが、一週間経ってもそれ以外は咲かない。気象の急な変動に適応しただけであったのか分からないが、例年のように、花は一斉に咲いて淡いピンク色の華やかな生け花を見せてくれようとしているのかとかってに思っていた。暫く待っていたが、シャクナゲの蕾は茶色いままであった。 

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Dscn9863 草木は気象の変化に適応しながら生物社会の様々な機能を衰弱させないように生きているように思う。人は、その適応の様子に感動し、草木の恵みに裏切られるとガックリもする。人は、自然界の変化に寄り添って生きていることを改めて実感している。Photo_2 奥山の森にも若葉が目立ちはじめ、夏鳥たちの大合唱で森が賑やかになってきた。こんな心身ともに和めるひと時をウクライナ避難人にも届けられたらうれしい。(顧問・高橋佳夫)

2022年5月 1日 (日)

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