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2024年8月15日 (木)

若者たちの気候危機への集団訴訟を共にたたかう!

 「火力発電で温暖化が進行した。安定した気候のもとで生活する権利の侵害だ」として、若者16名が発電10社を名古屋地裁に提訴しました(8/6・『毎日新聞』)。

 このまま地球温暖化が進めばこの地球上で生活していく若者ほど、その不安はますます増えていくことは誰もが感じ取っていると思います。私ものその一人です。こうした生活を脅かす異常気象を招いたのは大人たちの経済活動の結果であり、その責任の一旦を感じている私です。

2024862024年8月6日 毎日新聞より

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 なんとか温暖化にブレーキを掛けたいと足尾の森づくりを応援してきた私ですが、6月の通常総会で運営委員に就きました。この若者たちのチャレンジは私の新たな活動エリアを示してくれました。現役時代(2001年~2006年)に私は、カブールでの紛争で夫を亡くした寡婦の自立支援、井戸(カレーズ)を掘る等の支援、食糧支援(果樹の苗木配布)事業を担った経験があります。現地で育てたりんご苗を購入し、干ばつと食糧難で苦しむアフガニスタンの村人に井戸掘り道具を貸出し、水源を確保した地域へリンゴ苗木を植えてきました。

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 井戸掘りから用水確保によってなんとか小麦は収穫できましたが、リンゴ苗木の生長をつくりだすことは出来ませんでした。今でもその悔しさは忘れられませんので、その事を足尾の森の手入れで活かしていきたいと思っています。

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 アフガニスタンでの様々な経験と知識を足尾現地の自然界の息吹きを五感で紡いでいきたいと思っています。その心は、故・中村哲さんが活動していた平和への志と情熱です。“自然環境と人とのつながり”という生存の原点から人間活動を問い直し、発電10社を提訴した若者たちとの出会いを求めていきたいと思っています。

運営委員:田城郁

2024年8月 1日 (木)

原発再稼働にノー!地域から複合災害への備えを考えよう!

 7月24日以降、秋田県・山形県に降り続いた記録的な大雨は河川の氾濫や土砂崩れが発生し、テレビに映し出される映像は現実のものかと目を覆うような状況でした。浸水にとどまらず集落が水没。土砂崩れによって工事現場の作業員が行方不明となり、住民からの救助要請で現場に向かった20代の若き警察官がパトカーごと流されて尊い命を落とされてしまいました。増水した川に流されて亡くなられた方もおり、ご冥福をお祈りするばかりです。

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 海水温上昇の影響を受けた梅雨前線は、避難する・救援に向かう道路を水没させ、また、道路を削りとり、逃げることも救助もままならない状況を生み出しました。自然の猛威に対して、人間の力であらがうことは出来ず、過ぎ去るのを待つことしかできないことを改めて実感させられます。個人の「備え」から、地域に住む人々の命を守るための「備え」を考えなければなりません。

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 4月6日「原発回帰と気候危機に向き合う生活を考える意見交換会」で議論された心配が目の前に現れています。問題提起をされた科学ジャーナリストの倉澤治雄さんは、「原発事故は複合災害」と話されていましたが、地震ばかりでなく豪雨も重なった状況下では住宅内避難も、指定された避難所への移動も出来ないことが明らかとなりました。

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 7月26日、原発再稼働を求めていた日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)が原子力規制委員会の調査によって東電福島第1原発事故後に出来た新規制基準に適合していないと判断されました。1990年代から敷地内に活断層の存在が指摘されており、専門家は「原発の立地場所としては、何重にも不適切だ」と批判をしました。

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 1月1日に発生した石川県能登半島地震では海底が4m隆起し、陸地は2mの隆起と亀裂が走りました。約8万4千戸の家屋が被災し、7か月が経過した今も復興が進まず、2万人近くが避難生活を余儀なくされています。避難生活などが原因で亡くなった災害関連死の方を含め死者が339人(7月30日時点)に上る見通しになりました。

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 規制委員会の原発審査では初の「不合格」という決着が見えてきましたが、原電はなおも「再稼働」を求めているようです。さらに、政府は原発の新増設の建設費を電気料金に上乗せできるようにする支援制度を検討していることが明らかになりました。

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 ユーラシアプレート、北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの上に乗る日本列島は世界最大の地震の巣です。その不安定な日本列島に原発を建設することは国民の命をないがしろにする行為以外の何物でもありません。原発再稼働・新増設にノー!です。

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目先の経済的利益より、将来世代にわたって命と暮らしが守られる判断を求めたい。

(運営委員:清水卓)