AIは世界を楽園にするのか、破滅に導くのか
加速度的に進化しているAI。この先、人間は食べるために働く必要はなくなり、したいことだけをするユートピアが実現するのか。あるいは冒頭、人工知能同士の争いが都市間戦争に発展する手塚治虫の「火の鳥 未来編」やシュワルツネガー主演の大ヒット映画シリーズ「ターミネータ」が描くようなディストピアとなってしまうのか。
日経新聞2月28日の「オピニオン」欄に興味深い記事が出ていた。AI研究の第一人者であり「深層学習」の基礎を築いたトロント大学名誉教授ジェフリー・ヒントン氏によれば、「AI同士が学んだことを共有しあい『集合精神』が誕生すれば、人間に対する絶大な優位性を手に入れる」といい、日経3月10日のインタヴュー記事では「AIに気候変動を止めるよう指示すれば、目的のために人類を排除する手段に出る可能性がある」「今後10年以内に自律的に人間を殺すロボット兵器が登場する」とも語っている。
また、今年のアカデミー賞7部門を受賞した「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督は「今一番心配しているのはAIが核ミサイルの発射ボタンを押すことだ」とインタヴューで応えていた。
江戸から明治へと時代の大変革を体験した当時の日本の市民のように、いま私たち地球に暮らす全ての市民が時代の大変革に立ち会っているのかもしれない。できれば変化を見届けてから死にたいものだと強く思う、春には67歳となる私です。
冒頭にあげた写真は長野県千曲市の春を彩る「あんず」の花の丘。いつもなら4月中頃かな、見ごろは。(運営委員・井上康)
コメント