冬至は私の心の大晦日
私にとっては冬至が心の大晦日。明日から太陽のエネルギーを得られる時間が長くなるので、自然界の息吹きが恵みになる可能性がスタートする日。2024年も自然界の息吹きを恵んでもらって悔いのない時間を過ごしたいと思う。 人類の生存を脅かそうとしている温暖化にブレーキをかけられないかと願い、今年も木を植え、森の手入れをしてきた2023年。 その主役は80歳代から60歳代のシニアたち。足尾の80歳代から70歳代の森づくり活動は来年で20年を迎える。今年(2023年)はその志と情熱を襷に縫い込み、次世代の森びとシニアへその襷を手渡すことができる準備をしてきた。手伝ってくれた次世代シニアの皆さん、ありがとうございました。
足尾以外の秋田県、山形県、宮城県、福島県、栃木県、千葉県、茨城県、神奈川県、東京都のシニア達は地域毎の方々との出会いの場をつくりだし、森の手入れの合間には異常気象に向き合う心得や備えを地域の方々と話し合ってきた。お疲れさまでした。 背伸びしている森びとシニア達の活動が地球温暖化にどれだけブレーキをかけられるのかは分からないが、将来世代が生きていけるエコシステム(生態系)の母体を支えていることには違いない。誰もが経験したことのない気象現象の今後は想定外の災害と被害を巻き起こすことになるのではないかと予測しなくてはならない。 森に寄り添って生きていかなければならない私たちは、温室効果ガスをこれ以上大気中に累積させない人間活動へチェンジすべきではないかと思っている。地球の70%もの海洋の海水をこれ以上温めてしまう人間活動は即、止めるべきなのですが。COP28では「化石燃料からの脱却」で合意したものの、それは「脱却の対象分野が発電などのエネルギーシステムに限定され」、締約国が化石燃料を使い続けていける余地が残っている。その上、締約国の目標は義務になっていないこともあって、締約国には抜け道がある。COP28締約国が自国ファーストである限りは「パリ協定」は実現できない。
“山と心に木を植える”という合言葉で活動をスタートさせた20年前の森びとプロジェクト設立委員の議論は、「人間は生物社会の一員に過ぎないという冷厳な事実」から社会現象を思考する努力してきた。その結果、合言葉は、命を守るエコシステムの母体である森をつくろう!母体を破壊しない意識(木)を心に植えよう!となった。煙害の荒廃地にはハゲ山になる前のふるさとの木を植え、植え方は混植密植にして、時間短縮で「ふるさとの木による命の森」を育てることにした。 冬至の年末を迎えた私は、蟻とアブラムシの支え合いのように、森づくり20年の来年も手弁当の森の手入れと森のともだちとの出会いを楽しみたい。そして、苗を植え始めた森づくり20年の再来年には森を育ててくれた全ての方々に足尾の森を観て、触ってほしいと願っている。
(森づくりアドバイザー・高橋佳夫)
コメント