自然界と人との”つながり”が見えてくると世界が拡がる
昨日(5/4)、松木川で釣りをしていた釣り人が「みちくさ」でひと休みしてくれた。この時季は松木川でフライを楽しむ釣人が多い。以前、私が出会った釣り人からは、「両岸に木の枝が少ないからポイントへフライしやすい」と訊いた。150年経った今でもハゲ山の跡が川の両岸は岩や石がゴロゴロしているから草木が少なく釣り糸が草木に絡まらないようだ。
以前、釣り人から見せてもらったイワナは天然ものの写真だった。そこで話になったのが、川面に落ちた枯葉が川虫の餌や寝床になって生きられる。その川虫を川魚が食べている。風で飛んできた枯葉は川虫と魚とって大切な森との”つながり”であることが解った。落葉広葉樹のふるさとの苗木を植えている私たちの森づくりが川虫や川魚につながっていることを釣り人から教わった。 苗木を植えて来年は20年を迎えるが、小さな森は雪どけや雨水を溜めて、何年もかけてろ過して松木川に流しているだろう。その水はミネラル豊富な水となって米作りの水にもなり、やがては海に流れこみ動物プランクトンが海の魚の栄養源になる。それは私たちの栄養源でもある。 自然界と人間との“つながり”が頭に浮かぶようになると、ミネラル豊富な森の水は大切にしなければならないという意識が心に沁みとおる。「みちくさ」での出会いでは、釣り人やロッククライマーの皆さんから体験したことのない世界が見えてくる。それは狭い社会で生きている自分に気付かされる場面でもある。(森びとアドバイザー・高橋佳夫)
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