森づくり活動20年目の課題
50年前に閉山した足尾銅山の煙突から排出された亜硫酸ガスが松木川沿いを上流に流れ、そのガスで両岸の草木が枯れて土砂が川に流出した。それは、その上部の土砂や草木も崩れ落ち、後に残ったのは急斜面の岩肌(ハゲ山)だけ。 その岩に土と草木の種を混ぜた袋を張り付けて草木を発芽させ、樹々が生長できるのを待っている足尾の治山・緑化事業の今。広大なハゲ山には緑色が広くなっているが、草木の生長を加勢しているのは土壌分解動物と風や生きものたち、そして人間の手入れ。しかし、岩肌に張り付いている土は煙害前の大木に育つほどに堆積していない、ここ数年は極端な大雨等で土砂が流される。足尾の荒廃地に少しばかりの土等を混ぜて植えている樹々が煙害前の大木に育ってくれるのかと不安な年末。 2024年は木を植える活動をはじめて20年を迎えるが、「ふるさとの木による命をまもる森づくり」の新たな課題に挑戦する森づくりが試される。世界各地で大地と海の森をつくり、育てている皆さん!一年間お疲れさまでした。(森づくりアドバイザー・高橋佳夫)
コメント