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2023年9月 1日 (金)

私たちの大切な人間性とは

 古河機械金属㈱などが共同で設立した一般社団法人古河市兵衛記念センターが、創業150年記念事業の一環として、渡良瀬渓谷鉄道の足尾駅付近の一角で大きな工事が進めています。看板を読むと、当時の旧足尾鉱業所があった所に「足尾銅山記念館」を建設し、2025年5月に開館する予定のようです。

 古河機械金属㈱所有地内の松木村跡地で森づくりをさせていただいている私にとっては、この記念館の完成が楽しみであり、「脱炭素社会」で生きていかなければならない将来世代に向かって、どんなことを遺してくれるでしょうか。

 森びと秋田県ファンクラブの仲間たちは、銅の精錬で排出された亜硫酸ガス等で破壊した森の跡地での森づくりを応援しています。その森づくりは、故・宮脇昭さんの指導によって、同和鉱業㈱が私たちよりも一足早く始めています。秋田の仲間から紹介された森づくり主催者の同和鉱業㈱の碑文に心を打たれました。

1 碑には、「美しき峰々が広がるここ小坂の地は、明治17年当社の前身藤田組が官営鉱山の払い下げを受けて以来、122年間、地域と一体となって鉱山製錬事業を営み、日本の産業を支えてまいりました。しかし、掛け替えのない四季折々の花鳥風月を、黒き丘に変貌させてしまうものでもありました。時代は、地球温暖化、資源枯渇、土壌汚染など山積された問題の解決と、自然との共生を望み、大きな変革の時をむかえております。私たちは、大切な次世代の子供たちのために、地元の夢と期待に応えるべく、県北部産業の中心的な役割を担い、リサイクル事業を中心とする環境に優しい循環型社会の構築を目指します。当社発祥の地小坂を、春夏秋冬豊かな自然の息吹きと、力強い地球の鼓動を聞くために、覆土植栽を施し、再び開発することなく「ふるさと秋田」にふさわしい、モデル地区にすることを宣言いたします。たおやかな小坂の風景と歴史を一望しながら。平成18年9月18日同和鉱業株式会社代表取締役社長吉川広和」と、刻まれています。

2 この碑文は、将来世代が生活していく人間社会で失ってはならない最も大切な人間性ではないかと私は思っています。また、「負の遺産」を“未来の遺産”へ結びつく“希望の森”を、秋田県小坂町と栃木県足尾町で育てられていることに感謝しています。(運営委員 大野昭彦)

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