未来は掴み取るしかない
昨年末、岸田政権は原発の運転期間を延長し、次世代原発の新増設を進めるという原発政策の大転換が決定しました。 昨年8月、岸田総理は脱炭素社会に向けた戦略を協議する「GX実行会議」に出席し、次世代型原発の開発や原発の運転期間延長などの検討を加速するよう指示しました。その後の具体的な議論を行なってきた経産省の有識者会議「原子力小委員会」の委員や岸田総理を議長とした「GX実行会議」の有識者は、原発推進者や利害関係者であり、完全な政府の考えを推し進めるための出来レースでしかありません。
「聞く力」をアピールしていた岸田総理。しかし、よほど疚しいのかひっそりとパブリックコメントが行われています。今後の国会で議論をされていくのかどうか不明ですが、一方の意見のみを鵜吞みにし、反対する意見を蔑ろにするやり方には納得がいきません。未だに2011年3月11日に発生した東日本大震災により原発事故は収束しておらず、苦しんでいる方々が多くいらっしゃいます。要は、このような大切な議論が国民的な議論になっていないということが問題であり、すべてにおいて現実を無視して「やっている感」「アリバイ作り」であると言わざるを得ません。
森びとでは、昨年から各県ファンクラブの皆さんと一緒に各地で「お茶会」を開催し、気候危機下での生活の備えや知恵を議論してきました。とかく狭い視野でしか生きていない私からすると、様々な方々ら様々な考えを聞き、議論をする機会は新鮮であり、学ぶことが多いと思います。
今、欧州から輸入され、日本でも各地で行われている自治体が主催した気候市民会議も活発に行われています。参加者は「くじ引き」で無作為抽出で選ばれますが、議員のように支持者の期待を背負わない分、自由な議論を深めやすいのがメリットです。
私たちの未来を決める原発政策の大転換という問題を国民的な議論がされずに他人事にしていてよいのでしょうか。政治家だけに任せていてよいのでしょうか。市民でもできることを今年も模索して進めていきたいと思います。
運営委員・小林敬
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