森に寄り添う生活を世界の常識に
2億人ものアメリカ国民が記録的な寒波に襲われています。一部の州では生命の危機におちいるとして外出禁止令が出されています。災害の規模は比べものになりませんが、日本も昨年に続く暴風雪で不便な生活を強いられています。 記録的な寒波の襲来は、北極の氷が夏季に急速に溶け出し、その広さも年々拡大していることによって、大気の循環(極循環)が乱れているらしいです。それは成層圏の対流に変化を及ぼし、偏西風を蛇行させて冷たい空気の塊が南下するといいます。 今年の気象を振り返ると、世界中の人々の生活観を見直すことが突き付けられている気がします。大雨や豪雪は止んでくれることを待つ以外に打つ手がない私たち、猛暑も過ぎ去るのを待つ以外にないことを体感しています。さらには、大雨に向き合うには側溝の許容範囲、堤防の強度、盛土の強度、鉄道や道路の橋梁強度等が限界にきている、暴風や豪雪に向き合うには電柱や電線の強度、道路や空港等の災害対策の基準が通用しなくなっています。 その上、ゼロコロナ政策が失敗したように、人間の都合による経済優先の生活スタイルをこれからも継続していくようでは、自然界の猛威を予測できないほどの気象が来年以降も襲来してくるのではないかと心配です。 このような中で、森びと会員が集う「森びと県ファンクラブ」は、地域の方々に呼びかけて、気候危機と向き合う備えを話し合う「お茶会」を実施してきました。「お茶会」は一都5県で初めて実施されましたが、地域の方々と私たちの心をひとつにすることができました。 予測できないほどの気象の猛威の襲来は人間活動に要因があります。今までの人間活動を見直すには政治を変えなければなりません。「お茶会」は、その波を地域から大きくしていくことを願って実施されています。森に寄り添う生活スタイルが世界の常識になることを願って、「お茶会」は来年も続けられると思います。「森びと県ファンクラブ」皆さん、未来の社会を描く一歩を踏出していただきありがとうございました。(顧問・高橋佳夫)