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2022年10月15日 (土)

「新しい林業」始めます

 この4月から、サラリーマンに復帰して新しい仕事を始めました。森林・林業に関わる仕事ですが、森びとでやっている活動とは少し方向性が違います。森びとの活動は、個人である参加者が山に木を植えることを通じて、身の回りの自然・環境、普段の暮らしとの向き合い方を考え、より良い将来、社会の実現を目指していく、そういう市民運動だと私自身は捉えています。

 一方、この4月から始めたのは、日本の林業の技術的な仕組みを洗いなおし、日本の多様な山林の条件にマッチした林業を日本の各地に根付かせる、そんなちょっと大上段にかまえた林野庁の補助事業「新しい林業」経営モデル実証事業のお手伝いです。

1_2 こんな機械で、森林作業の地拵え、下刈をやりたい‼(マルチャー0.45)

 ご存じのとおり、日本の国土の3分の2は森林が占めており、その4割約1000万ヘクタールが人手で植えた人工林、さらに人工林の半分以上が既に50年生を超え十分木材資源として利用可能となっている、世界でも指折りの森林大国といって間違いありません。こう書くと、日本の林業って結構もうかっているの?と思われるかもしれませんが、実は木を切って売っても森林所有者にはほとんど手元にお金が残らないというのが現状です。私もしばらく森林・林業の仕事を離れていたので、もう一度勉強して、この辺の話をしばらく書かせていただこうと思います。(運営委員・井上康)

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国内にはこんな立派な山が各地に(長野県天龍村)

2022年10月10日 (月)

「気候革命」(『毎日新聞』)を読んで、描きたい希望の楽園

Photo_3「人間は、消費と排泄の後に死ぬ・・・!なんか情けない存在なのですね。人間はこのエコシステムに貢献出来なくても、せめて破壊しない、その範囲内でのエコ生活が求められます」・・・。これは友人が私に寄せられたメールの一部。Pa031699  フロリダ半島に上陸したハリケーン「イアン」の最大風速が67㍍であった。暴風と海水は木造建築物、電柱や送電線の倒壊、そして太い樹木等をなぎ倒した。怯えていた被災者の様子をテレビで観て感じたことは何もできない自分の存在であった。私の冷厳な現実は友人のメールの通りだと思った。さらに思ったことは、このような恐ろしい気象が、毎年、生活現場や労働現場に襲ってくるのかと思うと、私たちはどんな生活をすればよいのかということであった。 

Photo そのヒントは国立環境研究所上級主席研究員・江守正多さんが与えてくれた。9日の毎日新聞(シリーズ「気候革命」)は、一面トップに「気温上昇1.5度でも低く」という見出しの中で、気候科学者(江守さん)の「覚悟」を報じた。それによると、江守さんは7月、神戸市の住民などが神戸製鋼所と関西電力などを相手に、石炭火力発電所の新設・稼働の差し止めを求めている裁判(気候変動提訴)の証人尋問に立った。その江守さんの地球温暖化に向き合う決意と情熱に、さらには、「温室効果ガスが出なくなるように、社会全体の仕組みやルールを変えていく必要があります。一人一人にできる本当に大事なことは、そのような変化の必要性を理解し、後押しすること。変化を求めて声を上げていくことだと思います」という、江守さんの実践性に、私は敬意を表し、連帯の拍手を送る。 

Photo_2 限られた人生を「情けない存在に」終わらせないために、私は、“森と生きる生活スタイル”を森とも達と描きながら、変化を求めて声を上げていきたい。(顧問・高橋佳夫)

2022年10月 1日 (土)

岩手県八幡平と宮城県名取、荒浜の植樹地域を視察して

 9月23日盛岡駅に降り立ち、八幡平松尾鉱山跡地の広葉樹植樹地に入ったのは午後3時頃。小雨も鉱山跡地に着くと降り止み、大野さんと秋田の大山さんの案内で植樹地域を散策をしました。Cimg0007

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 硫黄鉱山採掘跡地は強酸性の土壌であることから植樹された皆さんのご苦労ははかりしれません。森びとプロジェクト委員会みちのく事務所が2006年から行ってきた松尾鉱山跡地への植樹活動が2018年で区切りを迎えたと伺った。土質や気候条件もあり思うようには育ち難い状況でした。改めて人間の経済活動で一度疲弊した環境を取り戻す活動の厳しさを感じました。

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Cimg0017 翌24日は盛岡から仙台に移動し、宮城県ファンクラブの皆さんの案内で名取、荒浜の津波被災地の防潮林の植樹地域を視察。南相馬市鎮魂復興市民植樹祭応援隊の皆さんも合流し、あいにくの雨模様でしたが名取も荒浜も広葉樹は勢いよく育っていました。

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Cimg0046 この間に補植や下草刈りとファンクラブの皆様のご苦労を耳にし、敬意を新たにした次第です。名取も荒浜も林野庁で植林したクロマツも南相馬市のクロマツとは比べものにならないほど成長しており、3メートルを超えている状況でした。

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 現在の環境問題を考えるとき、森びとプロジェクトの植樹活動継続の重要性を再確認した次第です。これからも大地と心に木を植えていきましょう。

(代表・桜井勝延)