アクセスランキング

« 森の中から社会を、暮らしを考える1年に。 | メイン | 未来は掴み取るしかない »

2023年1月10日 (火)

大転換する原発政策、フクシマ原発事故の教訓は何処へ

 森びとプロジェクトの活動は、『地球上のすべての生命にとって欠くことのできない「いのちの森」をつくる活動(事業)を行い、地球温暖化防止に努め、有限な自然資源の価値を最大限に生かし、原発や化石燃料に頼らない人と自然の共生を目指す。この活動を通じて自然環境と人間の生命を大切にする心を育み、志を同じくするすべての人々と連携を図る。』ことを目的に活動しています。その実現のために2023年は「育樹作業と啓発活動」の両輪で取り組んでいきます。会員の皆様の一層のご理解・ご協力をお願いします。

Dsc07770

 昨年12月22日政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」は、再生エネネルギーや原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用するとした上で、「①運転期間40年、最長60年の原則維持、停止期間の運転延長を可能にする。②廃止が決まった原発の次世代革新炉への建て替え。」などの基本方針を決定しました。

 その内容は、現在ある原発について、安全最優先で再稼働を進めることを前提に、最長60年と法律で定められている運転期間を原発が停止した期間を除き、その分を追加・延長を認め60年を超えた運転ができるようする。また、政府は昨年夏の選挙まで、原発の新設や増設、建て替えを「想定していない」と繰り返してきましたが、今回の基本方針では、次世代型の原子炉の開発・建設について「廃炉となった原発の建て替えを対象に進める」と、実質的に増設するというものです。

Cimg0341

 この基本方針を閣議決定し、今通常国会に提出するとしていますが、これは2011年3月の福島第1原発事故後、コントロールできない原子力は「可能な限り原発依存度を低減する」、新増設や建て替えは「想定していない」という従来の政府方針を180度転換するものです。これまで政府は、安定供給と脱炭素化の主軸は再生可能エネルギーであり、主力電源化を掲げていたことを葬り去り、原子力を使う事を意味するのではないでしょうか。

Dsc059141

 11年前の安全神話が崩壊した福島原発事故と多くの被災者、未だに故郷に帰れない住民の怒りはどれほどのものでしょうか。議会での審議もなく、国民への説明もないままの大転換は民主主義の根幹を危うくします。

 そもそも基本方針を決定したGX会議は、「温室効果ガスの排出原因となっている化石燃料などから脱炭素ガスや太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーに転換して、経済社会システムの全体を見直す」など脱炭素政策を議論する場であり、原発政策を議論する場ではないのです。

Dsc059021

 気候変動により巨大化・頻発化する異常気象は水害や土砂崩壊を引き起こし、私たちの命と暮らしに不安を与えています。原発事故の惨禍から学んだ教訓「人間と原子力は共生できない」ことを思い起こし、将来への責任を果たす道筋を改めて考える時ではないでしょうか。

Cimg0024

 生存基盤である地球の「声」に耳を傾け、いのちを繋ぐ森や海、大地の豊な恵みを育み、平和で安全・安心な持続可能な暮らしやすい社会のルールや仕組みを考えるために、地域の皆さまと気候危機下の暮らしについて忌憚のない話し合い「お茶会」をつくり出していきたいと思います。

(運営委員 大野昭彦)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/330076/34256989

大転換する原発政策、フクシマ原発事故の教訓は何処へを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。