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2022年7月23日 (土)

侮れない蜂のひと刺し・・・森に寄り添う夏の心得

 森に寄り添って生きていくには四季ごとの心得がある。夏の心得のひとつは草刈りを怠らないことと虫たちを刺激しないこと。Photo 植えたばかりの苗木の生長には草刈りが欠かせない。周りの草の背よりも苗木の幹が高くなるまではこの作業は必須だ。岩や石ころが多い荒廃地に少しばかりの黒土を混ぜ、そこに幼木を植えるいる私たち。周りの草も黒土に含まれる水分等を吸収し、光合成で生産した糖分とともに幼木と競争する。この競争に苗木が負けないように人が周りの草を刈る。7_20110613

Photo_2 草の茂みは虫たちに取っては雨や風を防ぎながら命を育む大事な場所。そこに人の手が入ると、蜂は攻撃してくる。2㌢程の小さな蜂でも、年に2回刺されると大変なことになる。筆者の経験は、意識がもうろうとなって病院に運ばれ、緊急処置をしてもらった経験がある。Photo_3 その後の夏の森作業時には、白い長靴とゴム手袋を着用して草刈りを行い、作業小屋にはハチに刺された時の応急処置方法の掲示、殺虫剤等を用意している。Photo_4

Photo_5 基本的には各自の意識と実行力が身を守る前提になる。先日、ある先輩がアシナガバチに手を刺された。話を訊くと、刺された箇所から口で毒を吸い取り、刺された箇所を冷したという。古希を過ぎた年齢なので後輩が病院へ同行し、手当てをしてもらった。翌日には腫れが引いて、大事には至らなかった。Photo_6 先輩は、「作業小屋に張ってあった掲示物を思い出し、その通りにやった」と言っていた。暑くなるこれからは「ゴム手袋、白い長靴を履いて草刈りをしたい」とも言っていた。(顧問 高橋佳夫)

2022年7月22日 (金)

気候危機に向き合う「いのちを守る本物の森づくり」

 「キュウリもそろそろ終わりだから時間のある時に取りに来い」と実家から連絡が届きました。実家の農家を継いだ兄は、稲作の他にキュウリやインゲンなどをビニールハウス栽培し出荷して生計を立てています。冬のハウス栽培は燃料費など経費が掛かるためアルバイトに出て生計を支える。昔は畑の広がる中にある家だったが、住宅が増えてくるといつの間にか農地も住宅並み課税に変わってしまう。小規模の自営農業の暮らしはいつまでも苦しいというのが実感です。

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 先週末の17日、久しぶりに実家に顔を出し兄夫婦が育てた野菜を頂いきました。キュウリの他、ナス、トウモロコシ、カボチャ、メロンなど自宅で食べるために作った野菜も収穫してくれていました。曲がったり、育ちすぎたり、「規格」では店頭には出せないが、自宅で食べるには新鮮で安全、安心して食べられる野菜です。

 猛暑の中、ビニールハウス内で収穫する様子を想像するだけでも汗が出てくる。ハウス内は50℃近くになる。スーパーに行けば涼しい店内でさまざまな野菜を選び購入できるが、命をかけて消費者の命の源となる野菜を育てているのが農家の皆さんであることを知ってほしい。家に持ち帰り、トウモロコシをゆでている間に、きゅうりは塩で浅漬けに、ナスは味噌炒めにしました。

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 先週以降、前線を伴った低気圧が日本列島を九州から北海道にかけて通過し、記録的豪雨が襲いました。「100年に1回、50年に1回」と言われた豪雨が数年に一度となりました。 

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 川が決壊、家屋や水田、畑など農地が浸水被害となり、宮城県では名蓋川(なぶたがわ)が決壊し、広範囲で冠水した大崎市古川矢目地区では堤防の決壊は少なくとも4か所であることが判明。7年間で3度という頻度で大規模水害に見舞われた住民からは「これは人災だ」との声が上がっています。

 「これは天災じゃない。人災だ。防げた。悔しい」、矢目地区行政区長は住民の思いを代弁し、今回破堤した箇所以外にも決壊寸前の場所が複数あることを指摘し「堤防のかさ上げを要望しても、行政は『原状復帰しかできない』の一点張り。しゅんせつなどメンテナンスもしないから雑木に草がたまり、弱い堤防をさらに弱くしている」と語っています。

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 農業を営む住民は『水田も大豆畑も泥水に沈んだ。「明日にでも水が引けばいいが、収量はだいぶ落ちるかもしれない」。折からの米価下落に加え、今後の病気や虫の発生が気がかりだ。』と不安を吐露しています。(河北新報ONLINENEWSより)

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 7月10日に投開票が行われた参議院選挙は、憲法改正に前向きな政党の議席数が伸び、岸田首相は「できる限り早く発議に至る取り組みを進めていく」と述べ改憲に意欲を示しました。「9条への自衛隊明記」「反撃能力」「我が国自身の防衛力を5年以内に抜本的に強化する」と強調しているようです。そして、7月14日の記者会見では、「原発9基の稼働を指示」したことを明らかにしました。

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 新型コロナウイルス感染拡大により経済が低迷し、生活に不安を持つ市民の思いとの乖離を感じます。欧州ばかりでなく米国まで熱波が広がり山火事が発生している状況は、日本も無縁では無く、河川沿岸の住民の声に耳を傾け、河川の堤防強化と源流の森の保水力を高める植林など、気候変動に対する対策を第一に推進すべきだと思います。

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 森びとプロジェクトは、気候変動に対する歯止めの力は弱いかもしれませんが、9月21日(水)に植樹を希望する方に代わり「里親植樹(7月~9月申込み)」を行い、10月1日、2日(土、日)に「りんねの森」5か所の植樹地の土壌に応じた植樹を行います。

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 生存基盤である地球の環境を守るために、多くの森ともの皆さんと共に、「地球温暖化にブレーキ」をかけたいと思います。

(副代表 清水 卓)

【アーカイブ】森びと・心の宝物

タイトル:森びと・心の宝物
作成日付:2020年11月
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概要:
森びとプロジェクトの前身、NP法人O森びとプロジェクト委員会時代に、森づくりスタッフが森づくりで得た「心の宝物」をまとめた小冊子です。

本文より:(編集後記抜粋) 
 森びとシニアから貴重な心の宝物を寄稿していただきました。八幡平市の松尾鉱山跡地の森づくり、足尾町の松木村跡地の森づくり、南会津での森を元気にする炭による樹勢回復実証調査、そして森の防潮堤づくりの現場に起ってきたシニアの方々に執筆をお願いした結果、十九名の森びとシニアから次世代の森びとへ伝えたい「心の宝物」が送られてきました。文章にはたくさんの宝物が秘められていましたが、編集では、森びとの次世代にとって忘れてほしくない「心」に絞って文章をまとめさせていただきました。
 
 何故なら、寄稿された文章は、地球温暖化にブレーキをかけなければならないという人類の問題に初挑戦してきた一五年間の試行錯誤の歴史だからです。短い歴史とは言え、現役をリタイヤした多くのシニアが経験したことのない森づくりでありながらも、故・松崎明さんの問題提起に賛同して森づくりを理論的かつ実践的に指導してくれた宮脇昭さん、その活動をけん引してくれた故・岸井成格さん、故・角岸幸三さん、故・竹内巧さん、故・宮下正次さん達の志の端緒をつくり出したことは後の世代にとっての宝物にしてほしいと願っているからです。また、人類の生存が危ぶまれている現代社会においては、生存を持続させる活動の小さな種火になってほしいと願っています。

Img_5411森づくりスタッフの様子(本文とは無関係です)

2022年7月12日 (火)

熱波・干ばつの奥にある”命のつながり”の悲鳴

 アメリカ・ヨセミテ公園の森林が延焼中。幹の間を車が通れる程の太さの幹、樹高は60㍍を超える巨木のセコイアに燃え移るのかと心配です。必死になっている消防隊員の消火作業中の海外ニュースを観ていると、胸が熱くなります。セコイアとの出会いは12年前、私はヨセミテの森に立つと人は森に生かされていることを教えられました。

P7101312  5月上旬、パキスタン北部で氷河湖が決壊して洪水が発生しました。原因は熱波で氷河が解けたと言われていますが、その後もインドやパキスタンでは気温50℃を観測しました。イタリア北部の標高約3300㍍の山頂では氷河が崩落し、ハイカーが命を奪われました。その他にも猛暑の影響は観光業や農業にも打撃を与え、北半球の人々の生活を脅かしています。2 Photo 先週末、足尾・松木渓谷入口でのんびりすることが出来ました。松木川から吹き上げる涼しい風が運ぶカジカガエルや蝉の声を聴きながら、草花の密を吸う昆虫を見ていると、私の存在は川、風、昆虫、草木の一員に過ぎないことを実感できました。

 2013年に故・宮脇昭先生からいただいた『森の力』を読み返し、「いのちを守る循環システムの母体は森である」、「人が森をつくり、森が人をつくる。・・・人生において、社会、国家、人類、生物において、何が一番大切なのか。それは“いのち”です。」ということから、参議院選挙後の政治動向を見ていきたいと思いました。Photo_2

Dscn7723 今週末(7/16)は故・宮脇昭さんが天空の杜に旅立ってから一年です。足尾グランドキャニオンと草花、虫たちが発している予兆に少しでも近づけられた気がしている私です。(顧問 高橋佳夫)